研究課題/領域番号 |
04670189
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
堤 寛 東海大学, 医学部・病理学, 助教授 (80138643)
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研究分担者 |
渡辺 慶一 東海大学, 医学部・病理学, 教授 (00055865)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Helicobacter pylori / 酵素抗原法 / 慢性萎縮性 / 腸上皮化生 / 特異抗原産生細胞 / リコンビナント蛋白 / マルトース結合蛋白 / 局所免疫 / 慢性萎縮性胃炎 / 分泌型IgA |
研究概要 |
慢性萎縮性胃炎の病因として、Helicobacter pylori感染が提唱されている。腸上皮化生巣では本菌の感染所見を認めない。本研究は、慢性萎縮性胃炎におけるH.pyloriに対する特異抗体産生の場を「酵素抗原法」を用いて証明することを目的とした。 【材料・方法】胃粘膜の新鮮凍結片ないしアルデヒド固定凍結切片を対象とした。標識菌抗原の作製には、3つのアプローチがとられた。a)本菌よりureaseを精製しビオチン化する。b)ureaseのアミノ酸配列からビオチン化ポリペプチドを化学合成する。c)マルトース結合蛋白(MBP)と菌蛋白のリコンビナント蛋白を作製する。 【結果】材料の収集やH.pyloriの組織化学的証明は、順調に行われた。しかし、標識抗原の作製に予想以上の困難が経験された。当初予定したa)およびb)の方法は、手技および抗原安定性からみて、不適切だった。菌粗抽出物をビオチン化し、preliminaryな酵素抗原法手技の検討が行われたが、特異的陽性像は得られなかった。c)では、MBP-vectorに本菌由来のDNAを挿入し、融合蛋白を大腸菌に発現させた。抗H.pylori抗体陽性患者血清と反応性を示したリコンビナント蛋白の1つ(分子量約60kD)を標識抗原とし、HRP標識抗MBP抗体(既に調整済み)を2次抗体とする酵素抗原法が試された。結果は残念ながら、陰性だった。 【反省点】本研究の最大の特長は、従来、形態学的研究にほとんど応用されてこなかった「酵素抗原法」により、慢性胃炎粘膜および腸上皮化生における特異的抗体産生細胞の局在を観察する点にあった。「酵素抗原法」の導入には、安定した標識抗原と着実な組織化学的技法の確立が重要であるが、この点、今回の計画は少々楽観的にすぎたと思われ、大いに反省している。現在、リコンビナント蛋白の作製を含め、一からやり直している。
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