研究課題/領域番号 |
04670195
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮木 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (20085624)
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研究分担者 |
小西 元子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学, 研究員
田中 貴代子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学, 研究員 (40124474)
矢ノ下 玲 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学, 研究員 (00224915)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | APC遺伝子 / 大腸腫瘍 / 突然変異 / PCR-SSCP / 癌抑制遺伝子 |
研究概要 |
家族性大腸腺腫症(FAP)患者について腺腫と癌の発生の機構を明らかにすること、また一般集団の癌について腺腫から悪性化した癌の頻度を推測することを目的として、大腸腫瘍におけるAPC遺伝子変異を調べた。 FAP患者と一般集団の腫瘍組織および正常組織約270検体から抽出したDNAについて、PCR-SSCP法により異常を検出し、次にジデオキシ法を用いてその塩基配列を決定した。APC遺伝子を38の領域に分けそのうち12の領域について解析したところ、germlineで20、somaticで50、計70の変異が検出された。既に報告されているものもあったが、80%は全く異なるものであった。germlineでは20家系中15家系でcodon1309-1310における5 base deletionが見られた。一方、somaticでは特に変異の集中したcodonはなかったが、同位置の変異が5検体で検出されたことから、この変異はホットスポットの1つであると思われる。今回、変異の著しい集中が見られた位置は一か所だけであったがAPC遺伝子の全領域の解析がまだ終了していないためであると考えられる。変異の様式は、germlineでは、欠失変異が90%、一塩基挿入が10%であり、somaticでは、欠失変異58%、一般基挿入10%、一塩基置換26%、塩基置換+欠失変異6%であった。これらは全て変異の起こった位置の近傍でstop codonを生じたことから、APC蛋白が不完全な状態で正常な抑制機能を果たせなくなることが、腫瘍や癌の発生の要因の一つとなっていると推測される。また、変異の様式や位置に関してFAP患者と一般集団の間に違いは認められなかったので、APC遺伝子の不活性化の機構は同じであると考えられる。低異型および高異型腺腫についての解析および他のAPC領域についての解析を続けている。
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