研究課題/領域番号 |
04670211
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡辺 敦光 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (00034653)
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研究分担者 |
伊藤 明弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60034633)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ラット / X線照射 / 腸上皮化生 / 性ホルモン / 生活関連物質 / 胃癌 / 発癌物質 / X線 / 食塩 / アルコール / アルカリフオスファターゼ / 味噌 |
研究概要 |
1.腸上皮化生の性ホルモンの影響:アルカリフォスファターゼ活性を持つ腸上皮化生(ALP)は雄は雌に比べて多く、雄の睾丸摘出で雄よりも減少し、雌の卵巣摘出で雌に比して増加した。性腺を摘出した雄や雌はT投与で増加し、DES投与で減少した。この結果はTがALP活性を持つ化生を増加に影響を与え、女性ホルモンが抑制的に働いていると考えた。 2.腸上皮化生の生活関連物質の影響:ALPは1%の食塩餌投与で数はX線単独群と比較すると有意に増大した。又味噌は1%食塩群より減少した。一方、10%食塩餌、並びに10%エタノール群では1%食塩餌投与群に比して有意に減少した。本実験でも胃底腺の丈の高さとALP活性を持つ化生数と逆相関を呈した。 3.腸上皮化生の安定性:腸上皮化生は酸の分泌の抑制で多く出現し、酸の分泌を増大する事で減少した。腸上皮化生を起こす一つの要因は胃内の酸の分泌が減少すると腸上皮化生が増加すると言う以前に提唱した作業仮説と一致した。更に一度出現した化生は酸の分泌が高まると胃粘膜へ再分化するのではないかと考えた。 4.胃癌発生のプロモータ:4週令の雄のACIラットに0.125mg/10g体重のMNNGを1回胃チューブで投与しその後10%食塩餌並びにエタノール投与を行った結果10%食塩は胃癌のプロモータとなる事が示された。 5.腸上皮化生と胃癌との関係:Wistarラットを用い10Gyを3日間隔でX線照射細大腸型の化生を起こした2ヶ月目よりMNNG、MNU又はDMHを投与し、胃癌発生との関係を検討した。しかしいずれの場合にもX線照射後発癌処理を行った群と発癌処理のみを行った群間では発癌率に差は無く、腸上皮化生と胃癌との直接的な関係は認められなかった。 以上の結果は腸上皮化生は性差があり、胃内の酸度の影響で変化するために、可逆的な現象で胃癌との相関は認められなかった。
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