研究課題/領域番号 |
04670219
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
森 浩志 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40028519)
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研究分担者 |
伊藤 裕啓 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10232480)
上野 浩 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90142596)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 精巣間細胞 / 幹細胞 / 再生 / Bromodeoxyuridine / ラット / テストステロン / Ethane dimethanesulphonate / Ethanedimethanesulfonate / bromodeoxyuridine / ethanedimethanesulfonate |
研究概要 |
精巣間細胞(Leydig細胞:L細胞)の増加・更新が前駆細胞の成熟によるのか、幹細胞の分裂・増殖によるのかを知る目的で、ラットL細胞を選択的に傷害することが知られるethane dimethanesulphonate(EDS)を反復投与して、一旦消失したL細胞の再生の有無・程度を、主として形態計測学的に検討した。もし反復投与後にL細胞の“再生"が不充分で、ついに枯渇するならば限定的な数の前駆細胞の成熟による供給であり、充分な数のL細胞が“再生"するならば幹細胞の分裂による供給と考えられるとの想定の研究であった。EDS(75mg/kg BW,ip)初回投与30日後に2回目投与を行うと、L細胞は初回投与後と同様に直後に傷害されてマクロファージに貪食されて2日後には消失、血清テストステロン(T)値と前立腺重量の著明な低下、L細胞の数・体積の著しい減少がみられた。しかしその後の再生速度は初回投与後よりも早く、7日目から増加し始め、30日後にはL細胞の数・体積、血清T値は元の状態に回復した。Bromodeoxyuridineによる間質組織中の細胞の標識率は2回目投与2日後に急峻に上昇し、14日後には対照群と同程度になった。EDSを30日間隔で2回、4回反復投与すると、それぞれ30日後には対照群と同程度に回復し、精細管の体積パーセントと総体積の減少による精巣重量の減少以外、間質組織量やL細胞の総数・総体積、血清T濃度には著変はなかった。以上の成績は反復投与によるL細胞のEDS耐性の獲得ないし、EDS感受性の弱いL細胞の出現の可能性を否定しないが、EDS傷害後のL細胞の“再生"は部分的には前駆細胞の成熟によるものの、大部分は細胞分裂による増殖であることを強く示唆している。すなわちL細胞には幹細胞が存在すると考えられる。また精細管もEDSによって傷害されることが明らかになった。
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