研究課題/領域番号 |
04670223
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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研究分担者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
阿部 達也 秋田大学, 医学部, 助教授 (80128363)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 広東住血線虫 / Mesocestoides corti / 好酸球 / 髄液 / ヌードマウス / 脾細胞 / 血液脳関門 / 好酸球遊走因子 |
研究概要 |
得られた成果は以下の通りである。1.非固有宿主(マウス)における好酸球集積:正常なAFヌードマウス(nu/nu)または広東住血線虫(Ac)を感染後17日のnu/nuマウスに、Ac感染後20日のヘテロマウス(nu/+)の髄液好酸球やMesocestoides corti(Mc)感染後20日のnu/+マウスの腹腔滲出好酸球を静注により移入した。髄液好酸球集積はAc感染nu/nuマウスに移入した場合にのみ認められた。また、髄液好酸球集積を示したAc感染nu/nuでは脳内の虫体回収数が有意に低下した。Ac感染nu/+マウスの脾細胞を髄液好酸球と組み合わせて移入すると、レシピエントのAc感染nu/nuマウスにおける髄液好酸球集積は抑制された。蛍光色素標識髄液好酸球や腹腔滲出好酸球の移入実験の結果、レシピエントのnu/nuマウスの髄液に集積する好酸球は殆ど全てが移入された好酸球であることが判明した。以上の成績から、髄液への好酸球集積には脳にAc虫体が寄生していることが必要条件であり、髄液好酸球は脳の虫体の殺滅に関与することが分かる。2.固有宿主(ラット)における好酸球集積:末梢血好酸球増多を示している(1)Ac感染後40〜43日のラット、(2)Mc感染後20〜23日のラット、ならびに(3)Ac幼若成虫(YA)を肺動脈へ外科的に移植後20〜23日のラット、の脳室内へAcのYA抗原、虫卵抗原、Mc抗原を注入した。これらのラットの髄液好酸球集積を追跡すると、脳にAc感染の既往のあるラットに虫卵抗原やMc抗原を注入したときにのみ髄液好酸球集積が認められ、YA抗原の注入には反応しなかった。この成績はIn vitroでラット好酸球が虫卵抗原やMc抗原に遊走能を示すことと一致している。ラット好酸球の髄液への集積には血液脳関門の破綻と好酸球の抗原特異的遊走能が関与していると推察される。
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