研究課題/領域番号 |
04670224
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 仁 千葉大学, 医学部, 助手 (80009654)
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研究分担者 |
畑 英一 千葉大学, 医学部, 助手 (00110304)
新村 宗敏 千葉大学, 医学部, 助教授 (60059095)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | バンクロフト糸状虫 / フィラリア症 / 酵素抗体法 / 循環抗原 / モノクローナル抗体 / 糸状虫症 / ミクロフィラリア / 血清抗体価 |
研究概要 |
バンクロフト糸状虫ミクロフィラリアに特異的に反応するモノクローナル抗体を産生する2種類のハイブリドーマをBALB/cマウスの腹腔に移植し腹水癌細胞化させることによりそれぞれの高濃度のモノクローナル抗体が連続的に得られるようになった。これらの抗体は腹水中より硫安塩析および高速液体クロマトグラフィーにより約70倍に精製することができた。これらの抗体にビオチンをラベルしてミクロフィラリアより抽出した抗原を用いてビオチン-パーオキシダーゼ標識アビジン系の酵素抗体法およびインムノブロット確立した。 バンクロフト糸状虫症流行地で採集した血中ミクロフィラリア陽性患者血清および血中無ミクロフィラリア慢性糸状虫症患者血清を用いて血清中のミクロフィラリア由来の抗原(循環抗原)の同定、定量を試みた。140名のミクロフィラリア陽性者の138名の抗原が検出され、慢性フィラリア症では25名中2名のみ抗原が検出された。また同地の一般健康人(流行地コントロール)より採取した30検体中2例に抗原を検出した。抗原量は夜間採血の血中ミクロフィラリア数に極めてよく一致した(r=0.64,p<0.01)。臨床的フィラィア症グループにおける抗原陰性現象は、高抗原産性に依るところの血中抗原の中和と考えられる。臨症的フィラリア症患者で血中抗原陰性の23名中16名にミクロフィラリア抗原にたいする抗体が検出された。フィラリア症に無縁の千葉県住民の血清中には抗原、抗体ともに検出されず、更に消化管内寄生虫感染症患者血清中にも同様に抗原、抗体は見られなかった。このように酵素抗体法による寄生虫抗原の検出に一部制限は見られたものの、アクティブなバンクロフト糸状虫感染症の診断にはこの方法がこれまで報告されたいかなる方法に比してはるかに優れたものであることが証明された。
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