研究課題/領域番号 |
04670233
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
高岡 宏行 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00094152)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | オンコセルカ / ブユ / 感染感受性 / ヌカカ / 牛のオンコセルカ症 / Simulium / Transmission |
研究概要 |
吸血性昆虫ブユとヌカカの牛のオンコセルカ3種に対する感受性の有無について検討するため、大分および熊本の牛舎において年間を通じた調査をおこなった。また、東北の岩手、本州の静岡、山口、九州の福岡、鹿児島でも調査をおこなった。牛を吸血に飛来したブユ10数種のうち5種にオンコセルカの第3期幼虫が見いだされた。Onchocerca sp.にはキアシツメトゲブユ、ヒメアシマダラブユ、アオキツメトゲブユ、ダイセンヤマブユの4種が感受性を示した。O.gutturosaに感受性を示したのは、キアシツメトゲブユだけであった。さらにO.lienalisにはヒメアシマダラブユ、キュウシュウヤマブユ、ダイセンヤマブユの3種が感受性であった。一方、非感受性であることが確認されたのは、O.sp.にたいしてはキュウシュウヤマブユ、O.lienalisにたいしてはキアシツメトゲブユの各1種である。仔虫の取り込みと胸部における未発育仔虫の有無を検討した結果、キュウシュウヤマブユはO.sp.の仔虫を全く摂取していなかった。一方、キアシツメトゲブユでは、O.lienalisと思われる仔虫の摂取は見られるが、胸部での発育が阻害されているように思われた。仔虫のブユ胸部への実験的移注でもキアシツメトゲブユではO.lienalisは発育しなかった。ヌカカについては調べた8種とも牛のオンコセルカには感受性を認められなかった。ニワトリヌカカにはO.lienalisに似た第3期幼虫が見いだされたが、第1期幼虫の大きさや酸性フォスファターゼの活性部位の違いから牛のオンコセルカとは別のフィラリアと思われた。以上のように、ブユの種によって牛のオンコセルカに対する感受性が異なること、また一部のブユ種では同一ブユ種でも別のオンコセルカ種にたいしては異なる感受性を示すことが明らかになった。しかし、このような感受性に差をもたらすメカニズムについては、今後の研究課題として残された。
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