研究課題/領域番号 |
04670238
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 康弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20110926)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | トキソプラズマ / トキソプラズマ性髄膜脳炎 / エイズ / 日和見感染症 / 主要組織適合遺伝子復合体 / 疾患連関遺伝子 / インターフェロン・ガンマ(IFN-γ) / 腫瘍壊死因子(TNF) |
研究概要 |
トキソプラズマ性髄膜脳炎(TE)はエイズ患者に多発する深刻な日和見感染症の一つであるが、その発症機序については不明な点が多い。そので、筆者らが作製したTEのマウスモデルを用いて、TEの発症機序ならびにその防止機序につき解析を行った。 1.TEの発症を制御する宿主側の遺伝子について:種々の近交系マウスならびにB10コンジェニックマウスにトキソプラズマを感染させTEの発症の有無を調べた。その結果、TEの発症は主要組織適合遺伝子複合体のH-2D領域に存在する遺伝子により厳密に抑制されている事実が明らかとなった。同領域の遺伝子はCD8^+T細胞の活性化に重要な働きを担っていることから、同T細胞がTEの発症もしくは防止に関与している可能性が示唆された。 2.TEの発症に関与する虫体側の要因について:同一の系統の近交系マウスに種々の株の虫体を同数感染させた場合、マウスの脳内に誘発される炎症反応の程度は、感染させる虫体の株によって著しく異なる事実が明らかとなった。それにおいては、脳内にシストを多数形成する株ほどTEを誘発しやすい傾向がみられた。 3.TEの発症防止に関与する.サイトカインについて:筆者らはインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)がTEの発症防止に非常に重要な働きをしていることは既に明らかにした。そこで、IFN-γと密接な関連をもつサイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)につきTE発症防止におけるその役割を調べた。その結果、感染マウスに抗TNFモノクローナル抗体を投与し体内のTNF活性を消去した場合、脳内における虫体の増殖とそれに伴う炎症が著しく増強される事実が判明した。したがって、TNFはTEの発症防止に重要な働きを担っていることが明らかとなった。
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