研究課題/領域番号 |
04670245
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西渕 光昭 京都大学, 医学部, 助教授 (50189304)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 腸炎ビブリオ / ビブリオ属細菌 / 病原性発現調節 / 耐熱性溶血毒 |
研究概要 |
腸炎ビブリオにおいて、コレラ菌の病原性発現調節遺伝子であるtox‐RSに相当する遺伝子が存在することを、以下の実験結果によって確認した(項目番号は、研究実施計画のそれに対応する)。 1.腸炎ビブリオAQ3815株において、Vp-toxR遺伝子の11bp下流にVp-toxS遺伝子(コレラ菌のtoxS遺伝子と64%の相同性を有する)が存在することを示し、その遺伝子産物も同定した。また、Vp-toxRおよび-toxS遺伝子はAQ3815株のみならず、すべての腸炎ビブリオ菌株に存在することを、ハイブリダイゼーション法によって明らかにした。 2.AQ3815株と、この菌株中のVp-toxR遺伝子のみをマーカー変異法によって変異させたisoqenic mutant(AQ3815△ToxR)の蛋白プロファイルが種々の培養条件下で大きく異なることを見い出し、Vp-toxR遺伝子はいろいろな遺伝子の発現調節に関与するグローバルな調節遺伝子であることを示唆する証拠を得た。 3.AQ3815株とAQ3815△ToxR株をin vivo病原性試験(家兎腸管ループ試験)で比較し、前者は陽性であるのに対し、後者は陰性であることを確認して、Vp-ToxRがTDHを介した胃腸炎の発症に実際に関与していることを証明した。(TDH:耐熱性溶血毒) 以上のことから、腸炎ビブリオのToxR-ToxSはコレラ菌におけるToxR-ToxSと同様の構造および機能を有していると結論した。現在、Vp-ToxRが環境のどのようなシグナルに反応して病原性発現をコントロールするのかについて、詳しい解析を行なっている。
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