研究課題/領域番号 |
04670266
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂岡 博 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40000947)
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研究分担者 |
関根 潔 北海道大学, 歯学部, 助手 (70113579)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 分子進化学 / 分子疫学 / 多様性 / ゲノム |
研究概要 |
日本、韓国、中国、スウェーデン、米国、およびケニアで分離した各48、50、28、50、34、および32株、計242株の疫学的に関係のない単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)DNAを6種の制限酵素BamHI、KpnI、SalI、HindIII、XhoI、およびPvuIIで切断し、それらの切断パターンを調べた。6制限酵素によるHSV-1切断サイトは225であるが、そのうち株間で存否に差のある63サイトを選び、サイト存在の場合を0、欠如の場合を1として、全株を63桁の数字で表現し、コンピュータに入力してHSV-1ゲノムを定量的に調べた。その結果以下の成績が得られた。 (1)、63サイトのうち、39サイトで6ヶ国のうち、いずれかの2ケ国間で切断サイトに統計学的有意差(p<0、01)がみられた。 (2)、特に、韓国とケニア間で63サイト中最大の25差異がみられ、両国のHSV-1が進化遺伝学的に最も離れているものと思われた。一方、モンゴロイド(日本、韓国、中国)から得られたHSV-1間では6サイト以下、コーカソイド(スウェーデン、米国)からのHSV-1株間では3サイトしか有意差がなく、同一人種HSV-1は進化学的に近縁を思われた。 (3)、242の株は186のゲノタイプに分類された。しかし、日本、韓国、中国からの株は互に同じゲノタイプに分類されることがあった。このことは3ケ国のHSV-1に極めて類似する株の存在することを示す。 (4)、6ケ国HSV-1の63サイトについて、サイト間(63x62/2)の相関係数(r)をピアソン法で求めた。日本、韓国、中国由来のHSV-1間、スウェーデン、米国のHSV-1間で同一ペアサイトで高い相関がみられた。このことも同一人種内HSV-1ゲノムは進化学的に類似していることを示す。 (5)、6ケ国HSV-1株186ゲノタイプの分子系統樹を近糠結合法(NJ法)で構築した。 以上の分子進化学的研究はHSV-1の分子疫学的研究に貢献すると思う。
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