研究課題/領域番号 |
04670268
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 正孝 東北大学, 医学部, 助教授 (30180392)
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研究分担者 |
白石 広行 宮城県保健環境センター, 主任研究員
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヒト・パルボウイルス / 組換えVP-1 / ELISA |
研究概要 |
小児伝染性紅斑の原因ウイルスとして知られているヒト・パルボウイルス(HPV/B19)は、近年、非免疫性胎児水腫や慢性関節リウマチなどの他の重篤な疾患との因果関係が指摘されている。しかし、HPV/B19感染の診断法が充分に確立していないため、疾患との関係を見定めるのは困難であった。我々は今までに、HPV/B19ウイルス粒子を抗原とするELISA法、抗HPV/B19モノクローナル抗体を用いたウエスタン法、PCR法を用いたHPV/B19DNAの検出法を確立してきた。 本研究では、まず、HPV/B19に対する抗体の検出をより簡便に行なうために、GSTとHPV/B19 VP-1との組換え融合蛋白を抗原とするELISAシステムを開発した。そのシステムを用いて、急性関節炎69例の血清中の抗HPV/B19IgM抗体を調べたところ、9例(13%)が陽性であった。これは、健康人391名で抗HPV/B19IgM抗体陽性者が2名(0.5%)であることに比べ、有意に高い値であった。また、この方法で調べた健康人のIgG抗体陽性率は94/382(25%)で、今まで発表されている結果と一致した。急性関節炎で抗HPV/B19IgM抗体陽性であった9例のうち5例から、PCR法で血清中にHPV/B19DNAを検出した。この5例のうち3例は2年以上関節炎が持続し、慢性関節リウマチと診断された。69例の急性関節炎の中にはHPV/B19の感染が陰性で慢性関節リウマチと診断された例もある。従って、慢性関節リウマチの少なくとも一部はHPV/B19感染が疾患の発症と相関しており、HPV/B19の持続感染があることが判明した。
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