研究課題/領域番号 |
04670273
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 正恵 神戸大学, 医学部, 助手 (10201328)
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研究分担者 |
片山 友子 神戸大学, 医学部, 助手 (10224461)
本間 守男 神戸大学, 医学部, 教授 (10004566)
堀田 博 神戸大学, 医学部, 助教授 (40116249)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | センダイウイルス / 細胞馴化 / C蛋白 |
研究概要 |
センダイウイルスのLLC・MK_2細胞馴化(MVC)株は、親(M)株に比べ同細胞内でのmRNA合成が亢進し、そのため感染性ウイルス産生量が高い。MVC株はC蛋白に点突然変異があり、本研究では、この変異がmRNA合成レベルの変化に関与しているか否かを明らかにすることを目的として、組換えワクチニアウイルスを用いて解析を行った。 M及びMVC株のC蛋白を発現する組換えワクチニアウイルス(それぞれVac-M及びVac-MVC)を作成しLLC・MK_2細胞に感染させると、ほぼ同程度のC蛋白の発現が認められた。また両ウイルスのC蛋白の細胞内分布に違いは見られなかった。Vac-Mを感染させたLLC・MK_2細胞では、重感染させたM及びMVC株のmRNA合成が強く抑制され、そのため、ウイルス蛋白合成さらに感染性ウイルス産生が著明に減少した。一方、Vac-MVC感染細胞ではわずかに抑制が見られた。センダイウイルス感染細胞を用いた試験管内RNA合成反応系にVac-MおよびVac-MVC感染LLC・MK_2細胞抽出液を添加すると、いずれの場合も添加量に比例してセンダイウイルスのmRNA合成を抑制したが、その程度はM株のC蛋白で著しく強かった。 以上の結果から、M株のC蛋白はLLC・MK_2細胞におけるセンダイウイルスのmRNA合成を強く抑制していること、MVC株のC蛋白に認められる点突然変異はこの抑制を解除し、その結果ウイルス産生を促進することが明らかとなった。センダイウイルスのC蛋白の機能はこれまで明らかにされていないが、本研究はC蛋白がmRNA合成にかかわっていることを強く示唆している。
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