研究課題/領域番号 |
04670314
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
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研究分担者 |
上村 隆元 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10232795)
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60118924)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | semiconductor / tetraethoxysilane / 腎障害 / 尿中酵素定量検査 / 尿中総蛋白 / N-acethy1-β-D-glucosaminidase / alanine aminopeptidase / lactate dehydrogenase |
研究概要 |
テトラエトキシシランの急性曝露を受けた際の腎障害の発症を知るのに適当な指標についての知見を得る目的で、若齢成獣ICRマウスを用い、1000ppm・1時間、500ppm・1時間および500ppm・4時間のテトラエトキシシラン吸入曝露を行い、曝露4週後まで、経時的に、尿中総蛋白、無機リンの尿中排泄、N-acethy1-β-D-glucosaminidase、alanine aminopeptidaseおよびlactate dehydrogenaseの尿中酵素定量について検査を行い、その有用性について、病理組織学的検査、血液生化学的検査とともに検討した。血液生化学的検査では、明かな腎機能異常は見られなかったが、病理組織学的検討では、腎病変の有所見率は、500ppm・1時間、500ppm・4時間および1000ppm・1時間曝露で、それぞれ、概略1/8、1/8および2/8であった。これに対し、N-acethy1-β-D-glucosaminidase、alanine aminopeptidaseの尿中酵素定量検査においては、明かな陽性所見は得られなかった。この結果を、そのままヒトにあてはめることはできないが、本研究のような曝露条件下では、テトラエトキシシランによる腎障害の指標としては、N-acethyl-β-D-glucosaminidase、alanine aminopeptidaseの尿中酵素定量検査は有用ではないかも知れない。尿中総蛋白および無機リンの尿中排泄の結果についても、明かな尿細管異常を示す所見は得られなかった。lactate dehydrogenaseの尿中酵素定量検査は、曝露後2週目までは、測定限界以下の検体が多く、明確な判断を下せなかったが、曝露後4週経過した検体にのみ、統計学的に有意ではないものの、曝露濃度の上昇あるいは曝露時間の長時間化にともない、lactate dehydrogenase活性の値が大きくなる傾向が窺え、今後さらに検討すべき課題と考えられた。
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