研究課題/領域番号 |
04670318
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
南 正康 日本医科大学, 医学部, 教授 (00019639)
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研究分担者 |
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 助手 (50213111)
勝又 聖夫 日本医科大学, 医学部, 助手 (80169482)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ヘモグロビン / グルタチオン / 芳香族ニトロ化合物 / アデノシントリリン酸 / 2,3ジフオスフォグリセリン酸 / 等電点電気泳動法 / メトヘモグロビン / posttranstational modification |
研究概要 |
有害化学物質によって血色素が酸化されて酸素結合能を失うことは古くから知られていた。しかし化学物質を取り扱う産業界での作業環境条件が改善され強度の血色素の変化をもたらすことも少なくなった。しかし微量の酸化性化学物質によって血色素は修飾を受け、等電点電気泳動法(IEF)でhemoglobin(Hb)がHb‐XとHb‐Yと仮に名づけたposttranslational modificationを受けたHbの存在を我々は確認した。このうちHb‐Yはglutathione化Hb(GS‐Hb)であることを確認した。これはGarelら(J.Biol.Chem.1986;261;14701)の方法で標準となるGS‐Hbを合成し、これと以下の方法で生成させたGS‐Hbを比較し同じものであることが判明した。即ち有害化学物質(phenolやpyrogarrol)と還元型glutathione(GSH)をHb溶液と温置して生じたHb‐Yを、さきに述べた標準GS‐HbとIEF法、やHPLC法を用いて比較し、同一のものであると判定した。一方、Hb‐Xは橋本ら(J.Biochem.1961;50;337)が発見したadenylyl‐diphosphoglycerate(Ad‐DPG)が、Hbに付加したものであることを、Ad‐DPGを合成後metaperiodate酸化でAd‐DPGのdialdehydeとHbを結合させたAd‐DPG‐HbがIEF法でHb‐Xと同じ部位に電気泳動的に移動することでその可能性を考慮している。なお、Hbを酸化する芳香族nitro化合物を取り扱う作業者についてHb‐XとHb‐YをIEFを用いて検査したが、対照者とくらべて特別の変動を認めなかった。このことは酸化されたHbであるmethemoglobinの値についても同じ状況であった。
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