研究課題/領域番号 |
04670399
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
清水 史郎 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50097432)
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研究分担者 |
福徳 雅章 金沢医科大学, 医学部, 助手 (20218944)
吉岡 律子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30200950)
荒井 俊秀 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30193048)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / 接着分子 / アポトーシス / サイトカイン / Fas抗原 / IMN3.1抗原 / 骨髄腫細胞株 / bcl2遺伝子 / Fas遺伝子 / 骨腫瘍細胞増殖因子 |
研究概要 |
骨髄腫細胞試験管内培養の観察から、骨髄腫細胞の増殖には骨髄ストローマ細胞の存在が不可欠であり、ストローマ細胞はサイトカイン、接着分子を介して不死化すなわちアポトーシスからの回避に関与すると考えられた。この点を明らかにする為に、サイトカイン、接着分子、癌遺伝子の観点から検討を加えた。 1)新鮮骨髄腫細胞におけるFas抗原の発現は被検18例中4例、22.2%の陽性率であった。一方、bcl2は20例中19例、95%の陽性率を示した。IMN3.1抗原陽性症例は無かった。しかし、抗Fas抗体によるapoptosisの誘導は有意ではなかった。 2)骨髄腫細胞株においては、11株中6株にFas抗原陽性例が認められ、うち1例ILKM3のみが抗Fas抗体によるapoptosisをおこした。Apoptosisは光顕、電顕およびDNA解析により確認された。各種接着分子、癌遺伝子、アポトーシス関連抗原の発現を解析し、ILKM3とその他の細胞株および新鮮細胞との比較検討をしたところ、Fas(+)、IMN3.1(+)、MYCmRNA overexpression、BCL2蛋白発現低下が抗Fas抗体によるapoptosis-proneの細胞を表すと考えられた。 3)接着分子の発現については、新鮮骨髄腫細胞は骨髄腫細胞株と同様にVLA-4、CD58、CD54、CD56、CD44を高率に発現し、VLA-5、VLA-6、LFA-1、SLe-x、LAM-1、CD41、CD51を部分的に発現していた。ストローマ細胞への接着は、各種β1インテグリン抗体を用いても骨髄腫細胞の接着は完全には抑制されず、β1インテグリン以外の接着分子の接着とapoptosisへの関与が考えられた。樹立細胞株ILKM10の解析から、β1インテグリン以外の接着への関与とIL-6以外の液性因子の増殖およびapoptosisへの関与が考えられ、ILKM10の増殖およびapoptosis回避を支配するサイトカインの解明が今後の研究の急務と考えられた。
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