研究課題/領域番号 |
04670423
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
金子 栄蔵 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10010414)
|
研究分担者 |
鈴木 昌文 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50179256)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | proton pump / mRNA / PCR / Helicobacter pylori / proton pump, / mRNA, / in situ hybridization |
研究概要 |
胃粘膜の酸分泌は加齢と共に変化し、それに伴い胃炎、消化性潰瘍、胃癌などの胃疾患も異なった病態を呈するが、胃粘膜の加齢に伴う変化の検討は乏しい。また消化性潰瘍治療に攻撃因子を抑制するprotonpump(PP)阻害剤の投与が行われているが、臨床における消化性潰瘍の病態の遺伝子学的検討や、PP阻害剤の胃粘膜の遺伝子発現に及ぼす影響については不明である。今回消化性潰瘍患者の生検胃組織においてpoly-merase chain reaction(PCR)法を用いPPmRNAの半定量化を行う共に、老化および消化性潰瘍患者で高率に検出されるHelicobacter pylori(Hp)のヒトの胃液中の量をcompetitive PCR法により定量化した。(1)プロトンポンプ遺伝子の発現の検討。PCR法とin situ hybridization法を用い、PP阻害剤であるomeprazoleのPPmRNAに対する影響を、胃潰瘍患者の生検胃組織において検討した。omeprazole 20mg/dayの投与前と投与4週後に胃体部粘膜を生検し、RNAの抽出と新鮮凍結切片の作製を行った。RNAから逆転写酵素によりcDNAを作成し、PPのN端側に対応するprimerとPCR法を行いPPmRNA増幅し、同時に増幅したβ-actinをinternal markerとしてPPmRNAを半定量化した。PPとβ-actin mRNAに対応する129bpおよび493bpのbandが検出され、β-actinで補正したPPmRNA量は、omeprazo-le投与後1.15から2.98に増加した。in situ hybridizationではPPmRNAは壁細胞の細胞質に主に染色され、omeprazole投与後濃度が増加し、PCR法の成績と良く相関した。(2)胃液中Hpの定量。内視鏡検査時に胃液を吸引採取後遠心し沈澱した粘液よりDNAを抽出した。Hpのureaseに対するprimerによりHpのDNAを増幅すると共に、同時に同じprimerで増幅される合成DNAを作製し基準とした。HpのDNAに対応する132bpのbandと基準とした合成DNAの66bpのbandが検出された。二つのbandの濃度比と加えた合成DNAの濃度から胃液中のHp DNAの定量が可能となった。
|