研究課題/領域番号 |
04670430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永野 公一 大阪大学, 医学部, 助手 (60237542)
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研究分担者 |
林 暢彦 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
辻 晋悟 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 胃粘膜細胞 / 増殖 / 分化 / TGFα / アンチセンスオリゴヌクレオチド / c-myc / 胃癌 / アポトーシス / bcl-2 / 胃粘膜幹細胞 / 胃粘膜細胞増殖 / 胃粘膜細胞培養 / EGFレセプター / 増殖因子 / サイトカイン |
研究概要 |
平成4年度ではウサギ胃粘膜より胃粘膜細胞を分離し、エルトリエーターにより細胞のサイズに応じて7つのfractionに分画した。フローサイトメトリーを用いて検討した結果、各分画のS期細胞の出現頻度は15-35%で、胃粘膜幹細胞は比較的広い範囲で存在することが判明した。また、S期細胞出現頻度の高い分画に含まれる胃粘膜細胞の増殖が最も良好であった。この分画の細胞を用いて、TGFα、TGFβ、ET-1の胃粘膜細胞の増殖に及ぼす影響を検討した。またこれと平行して、ヒト胃粘膜での増殖因子発現と胃粘膜細胞の増殖との関連性を免疫組織化学で検討を行った。その結果、上皮系の増殖因子であるTGFαは胃粘膜でも広汎に発現されており、特に腺頚部の増殖細胞と壁細胞での発現が顕著であった。TGFαのレセプターであるEGFレセプターの発現も同様の分布を示し、胃粘膜幹細胞、壁細胞はTGFαによるオートクリン増殖様式で増殖する可能性が示された。また、胃潰瘍瘢痕部の再生胃粘膜では、粘膜の再生、増殖を支持する幹細胞は、主に腺底部に存在し、TGFαとEGFレセプターを同時に発現しており、TGFαが潰瘍治癒に促進的に作用している可能性が示唆された。平成5年度はアンチセンス・オリゴヌクレオチド(以下AS)による消化器癌治療の可能性を検討した。c-mycに対するアンチセンスおよびセンス・オリゴヌクレオチド(以下S)を作成し、MKN45培養胃癌細胞の増殖を抑制するか否かを検討した。その結果、c-mycASはMKN45細胞の増殖を0.1-10μMの濃度で40-75%抑制することが判明した。一方対照として用いたc-mycSではこの抑制は認められなかった。さらにその抗腫瘍効果のメカニズムを明らかにするために、RT-PCR法、フローサイトメトリーを用いてmRNAレベル、蛋白レベルでc-myc遺伝子発現を検討したところ、いずれのレベルでもc-mycの発現が低下していた。また、c-mycASは用量依存性にTUNEL陽性細胞を増加させることが明かとなり、c-mycASの抗腫瘍効果にアポトーシスが関与する可能性が示唆された。
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