研究課題/領域番号 |
04670437
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中田 恵輔 長崎大学, 医学部, 助手 (40217740)
|
研究分担者 |
加藤 有史 長崎大学, 医学部, 助手 (50253638)
谷口 健治 長崎大学, 医学部, 医員
島 正義 長崎大学, 医学部, 助手 (50226198)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
|
キーワード | アルブミン / アルファ-フェトプロテイン / ブチル酸 / 肝細胞癌 / 肝細胞成長因子 / 膠質浸透圧 / 転写因子 |
研究概要 |
アルブミン(Albumin)とアルファーフェトプロテイン(AFP)遺伝子はヒト第4染色体上にtandemに存在し、両者の発現は鏡面的な関係を有している。生後Albuminの発現が高いレベルで維持されるのに対し、AFPの発現は著しく抑制される。また、肝細胞癌ではAFP遺伝子の再発現がみられ、Albumin、AFP遺伝子発現はそれぞれ肝細胞の分化、脱分化に関連していると考えられている。 本研究では、膠質浸透圧、Hepatocyte growth factor(HGF)およびButyrateについて、両遺伝子発現に及ぼす影響を検討した。膠質浸透圧の上昇はAlbuminおよびAFPのプロモーター領域の活性を低下させることにより、両遺伝子発現を著しく抑制した。HGFも同様にAFPのプロモーター活性を抑制した。 Butyrateは門脈血中にも存在する腸内細菌由来の短鎖脂肪酸で、ヒトにおいては血球由来の細胞の分化を誘導するとされている。そこで、培養肝癌細胞を用いButyrateの細胞増殖、AlbuminおよびAFP遺伝子発現への影響を検討した。その結果、Butyrateは濃度依存性に肝癌細胞の増殖あるいはc-myc発現を抑制した。さらに、Albumin mRNAを増加させたのに対し、AFP mRNAを著しく低下させた。CAT plasmidをトランスフェクションし、Albumin、AFPの転写調節領域に及ぼすButyrateの影響を調べた。その結果AFPのエンハンサー領域あるいはサイレンサー領域に明らかな変化は認められず、AFPおよびAlbuminのプロモーター領域に活性の変化がみられ、Butyrateが肝癌細胞を分化させる可能性が示唆された。
|