研究課題/領域番号 |
04670473
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
興梠 博次 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00178237)
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研究分担者 |
河野 修 熊本大学, 医学部, 助手 (40253728)
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 咳 / タキキニン / サブスタンスP / 喘息 / 免疫反応 / プロスタグランディン / ロイコトリエン / テトロドトキシン / チキキニン / ニュートラルエンドペプチダーゼ |
研究概要 |
平成4年度までに、モルモット気管支組織において、免疫反応や、ロイコトリエンC_4、セロトニンの刺激による気管支平滑筋収縮は、ニュートラルエンドペプチダーゼの阻害剤で亢進することを報告してきた。この事実は、気道の炎症モデルとしての免疫反応で、タキキニンが気管支組織から遊離されていることを間接的に示唆している。その理由として、ニュートラルエンドペプチダーゼがタキキニンを有効に分解不活化することが知られているからである。 今回、免疫反応でタキキニンが気管支組織から遊離されていることをより正確に証明するために、タキキニンの拮抗薬を使用し、生理学的に、また、薬理学的に、その収縮反応が抑制されることを確認した。また、プロスタグランディンF_<2α>によるモルモットの気管支の収縮もニュートラルエンドペプチダーゼの阻害剤で亢進し、この反応はタキキニンの拮抗薬で抑制されることを認めた。よって、プロスタグランディンF_<2α>もタキキニンを遊離する作用があることを確認した。これらの反応は、神経の伝導を阻止するテトロドトキシンによって影響を受けないことより、免疫反応にて遊離された化学伝達物質が神経伝導を介さずにタキキニンを神経末端から遊離していることを示唆する。 ヒトの気管支組織では、カプサイシンによる気管支の収縮が、ニュートラルエンドペプチダーゼの阻害剤で亢進し、この反応はタキキニンの拮抗薬で抑制されることを認めた。よって、ヒトの気管支でもタキキニンが存在し、生理的な役割を担っていると考えられる。 この一連の研究の目的は、「咳嗽の発症機構として、ヒト気管支の刺激によって遊離されたタキキニンが咳嗽の刺激になっているであろう」、という仮説を実証するためのものである。これまでの研究では、モルモットとヒトの気管支でタキキニンが遊離されていることを確認したことになる。以前の研究のデータと組み合わせると、炎症反応によって誘発される咳嗽もタキキニンを介していると予測される。
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