研究課題/領域番号 |
04670503
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
酒井 宏一郎 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70225754)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 傍腫瘍性症候群 / 海馬 / 自己抗原 / 辺縁系脳炎 / ゲノム遺伝子 / 傍腫瘍性神経症候群 / 自己抗体 / cDNAクローニング / 小脳変性 / 抗神経細胞抗体 / 自己免疫 / 遺伝子導入 / 組換え体蛋白 / B細胞エピトープ / leucine zipper |
研究概要 |
高率に蛋白を発現するベクターpWR590にPCD17遺伝子を組み換えることによって、傍腫瘍性小脳変性症関連蛋白PCD17の大量精製を可能とした。この組み換え体蛋白を免疫親和性により精製したものを抗原としたELISA法により抗体を測定する系を開発した。さらにPCD17の組み換え体deletionmutant蛋白を用いることによって、抗体の認識にleucinezipper領域の存在が重要あることを明らかにした。抗神経細胞抗体の誘導および傍腫瘍性小脳変性症の実験動物モデルの作製を目的として、5種類の異なる系のマウスにPCD17組換え体蛋白をアジュバントと共に感作し、その免疫応答性を調べ、抗体の出現をみた個体の臨床症状と病理所見の検索を行なった。5種類の異なる系のマウスに繰り返し能動免疫したところ、感作した全てのマウスの系統の血清中に患者の抗神経細胞抗体に類似した抗神経細胞抗体の存在が確認され、その抗体価は患者のそれと同等かそれ以上であった。抗体が誘導されたマウスに神経症状の発症はみられず、また病理からも小脳組織に小脳変性を示す所見を確認することはできなかった。しかしながら、感作されたマウスの小脳Purkinje細胞の細胞質には、対照抗原で感作されたマウスの小脳組織にはみられないIgGの沈着が観察され、神経細胞において能動感作により産出された抗体が神経細胞に取り込まれ、沈着している可能性が示唆された。 肺小細胞癌を伴う傍腫瘍性辺縁系脳炎の抗神経細胞核抗体を用いたexpression screening法により新たな神経抗原蛋白PLE21をcDNAクローニングした。この遺伝子が脳に特異的に発現していることを明らかにすると共に、その推定されるアミノ酸配列は肺小細胞癌に伴う傍腫瘍性神経症候群に関連する他の神経抗原蛋白であるHuD抗原と高い相同性を示し、同様に3個のRNA認識モチーフを有する蛋白であることを明らかにした。
|