研究概要 |
1.摘出心(n=19)をfree Ca,free Mg濃度が一定でPi濃度の異なる3種類(0,1.2,5mM)の溶液で潅流した.Pi濃度を0,1.2→5mMと上昇させると,細胞内総Mgは17.1〜17.4から16.2mMと減少し,citrate/isocitrate ratioから求めた細胞内free Mgはそれぞれ0.36,0.44,0.04mMであった.HCO_3^-は9.9〜14.8から22.3mMと増加し,細胞内pHは6.98,7.19,7.15と算出された.Cl^-は51.4〜40.1から11.6mMと減少し,Na^+とK^+はそれぞれ4〜2,128〜131mMでmembrane Nernst potentialは-83mVと一定であった.Cytosolic phosphorylation potentialは,9300〜12000から3360M^<-1>と減少したが,ΣATP hydrolysisによるfree energyは-13Kcal/molと一定であった.Plasma membrane potentialは+11〜+13Kcal/molであり,ΣATP hydrolysisに依存すると考えられた. 2.摘出心(n=7)を溶液のfree Mg濃度を0,0.5,1.0,1.5,2.0mMと変化させ,working modeで潅流した.高Mg潅流心では,細胞内総Ca濃度の減少,細胞内Mg/Caの上昇,dP/dtと心仕事量の低下を認めた.Mitochondria[NAD^+]/[NADH]は変化せず,心筋酸素消費量は一定で,心仕事効率は,外液free Mg濃度0.5mMのときに最良であった.
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