研究課題/領域番号 |
04670586
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
朝山 光太郎 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70129310)
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研究分担者 |
土橋 一重 山梨医科大学, 医学部, 助手
相原 正男 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30242639)
内田 則彦 山梨医科大学, 医学部, 医員
太田 正法 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80233146)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フリーラジカル / 小児 / 発達 / 栄養障害 / 抗酸化物 / 抗酸化酵素 / 酸素障害 / 過酸化脂質 |
研究概要 |
ラット肝ホモジネートからグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)を蛋白として約2000倍に単離精製し、家兎に免疫して特異的ポリクローナル抗体を作製した。免疫酵素電子顕微鏡的に、肝細胞内の分布を見たところ、ミトコンドリア、核、細胞質マトリックス、ペルオキシソーム、リソソームの順に強くラベルされていて、細胞全体に分布していた。免疫組織化学染色では、GPXは多くの組織に分布し、上皮性組織に多く、また好気性活性部位に多く分布していた。胎性期ラットの組織では、心筋、肝、消化管、気道、腎の順番で発現し、胎性期の発達もSODと密接に関連して起こっていた。早期乳児期では血清中抗酸化能(AOA)は日齢とともに増加し、生後3ヶ月までは低値で、生後4ヶ月以降では成人より高値であった。セルロプラスミン、トランスフェリン、アルブミンも同様の変動を示した。新生児期、早期乳児期にはフリーラジカル発生阻止能は未熟で、ラジカル消去物質の増加で代償されていると示唆された。インスリン依存型糖尿病患児では、血糖コントロールが悪いほど、AOAの低下は顕著であって、ラジカル消去物質総活性も低下していて、血管合併症の成因に関与すると思われた。ストレプトゾトシン糖尿病ラットでは、ラジカル反応阻止物質はいずれも著明に減少していたが、ラジカル消去物質の総活性は低下していなかった。慢性腎不全患児では、末期腎不全の透析例で、血液透析を受けている者も、持続的携帯式腹膜潅流を受けている者でもAOAは著明に低値であり、動脈硬化の促進傾向の一因をなす可能性が示唆された。ヒト赤血球内の蛋白グリケーションと膜脂質過酸化の関連性について検討し、高濃度グルコースによってグルタチオン依存性の機構とグリケーション自体による機構の両方で過酸化が促進されることが判明した。いずれの機構も赤血球膜内におけるフリーラジカル連鎖反応を介する酸化障害であると示唆された。
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