研究課題/領域番号 |
04670617
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
野間 剛 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60208387)
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研究分担者 |
川野 豊 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90224815)
矢田 純一 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60057502)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 鶏卵アレルギー / 抗原特異的IL2反応性 / Propidium iodide / CD3^+2^+4^+8^-45RA^+T細胞 / HLA-DQ / HLA-DP / IL2受容体β鎖 |
研究概要 |
アレルギー性疾患の発症機序を知るために、免疫担当細胞であるリンパ球の増殖因子であるインターロイキン2(IL2)に対する反応性を指標に、アレルギーの病因抗原に対するリンパ球の反応性、及びこれらの細胞のアレルギー反応誘導作用について解析を進めた。即ち、先づPropidiumiodide(PI)蛍光色素を用いたヒト末梢血T細胞の抗原特異的IL2反応性の測定法を開発した。病因抗原で刺激後5日間培養した患者リンパ球の生細胞数と、測定した蛍光色素量とは直線的な正の相関を示し、そのbackground色素量は全体の5%以下であった。培養細胞に添加して3日間二次培養したIL2の量に比例して蛍光色素量が測定され、0.1units/200μlのIL2量(細胞数2〜6×10^5)で平衡に達した。アトピー患者リンパ球を病因抗原である卵白アルブミン(OVA)、α-カゼイン(α-casein),スギ抗原(JC)あるいはダニ抗原(Df)のいずれかのアレルゲンで刺激すると、症状が誘発される抗原に対してIL2反応性が特異的に誘導された。また誘導されたIL2反応性は従来のトリパンブルー法で測定したものと同程度であった。健康人ではこのような反応は認められなかった。抗原特異的IL2反応性の測定方法としてPI蛍光色素を用いる方法は簡略かつ迅速でありアレルギー性疾患における病因抗原の検索や病勢を把握する上で臨床上有用と考えられた。次に、アレルゲンで誘導された活性化T細胞のIL2に対する反応性を指標に、生体内においてアレルギー状態を作り出すT細胞の特徴について、鶏卵を病因抗原とするアトピー性皮膚炎患者を検討した。卵白アルブミン(OVA)特異的IL2反応性細胞はCD3^+2^+4^+8^-45RA^+、T細胞であり、遅延型アレルギー反応やIgE産生糸のヘルパー細胞として働いていると考えられた。この反応の誘導にはT細胞上のCD4を介してOVA抗原を提示する細胞上のHLA-DQとHLA-DPが重要な働きをしていた。これらのT細胞の活性化に関わるIL2の受容体のうちOVAに特異的に表出される受容体はβ鎖であった。
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