研究課題/領域番号 |
04670666
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 京都大学, 医学部, 講師 (30171888)
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研究分担者 |
間賀田 泰寛 京都大学, 医学部, 助手 (20209399)
野原 隆司 京都大学, 医学部, 助手 (80180769)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポジトロン エミッション トモグラフィ / C-11酢酸 / F-18フルオロデオキシグルコース / 虚血性心疾患 / 心筋代謝 |
研究概要 |
健常心筋では脂肪酸のβ酸化が主なエネルギー源であるのに対し、虚血心筋では脂肪酸の代謝が抑制され、ブトウ糖代謝にスイッチされることが知られている。ポジトロン断層法(PET)により非侵襲的に心筋エネルギー代謝の測定が可能となった。本研究で用いたC-11酢酸は、投与後アセチルCoAとなり、TCA回路で酸化され排泄される。そこで心筋からの洗い出しをPETにて計測することにより心筋局所の酸素代謝を計測した。また酸素代謝を糖代謝と対比することによって好気性および嫌気性糖代謝の鑑別も試みた。健常例では安静空腹時でもブドウ糖負荷時でも酸素代謝に変化はなく、ジピリダモール負荷時には心筋血流の増加に対して酸素代謝の増加は僅かであった。他方ドブタミン負荷時にはダブルプロダクトの増加と共に心筋酸素代謝は著明に増大した。またその増加は左室よりも右室の方が著明であった。健常例ではいずれの場合においても左室内の心筋酸素代謝は均一であった。一方慢性期梗塞例では、血流の低下と共に心筋酸素代謝も低下した。ただ中等度の血流低下領域では酸素代謝が比較的保たれている場合があり、そのような区域はFDGの集積が高く、虚血心筋と考えられた。他方血流も酸素代謝も著明に低下した領域ではFDGの集積もみられず、従ってそのほとんどが梗塞心筋であり、嫌気性糖代謝を示唆する領域はみられなかった。このようにこれまでPETで用いられた心筋血流スキャンとFDGによる糖スキャンに加えて、C-11酢酸を用いた酸素代謝スキャンを追加することにより、心筋エネルギー代謝を多角的に解析でき、心筋のviabilityの解析にも役立つものと考えられた。
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