研究課題/領域番号 |
04670686
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
香坂 雅子 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (20183329)
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研究分担者 |
川合 育子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40152897)
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
福田 紀子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (20173354)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Menstrual cycle / Biological rhythm / Sleep structure / Slow wave sleep / Subjective sleep feeling / Seasonal variation / women / Seasonal affective disorder / Sleep-wake-rhythm / Phototherapy / Seasonal change / Women / Plasma melatonin / Sleep wake rhythm |
研究概要 |
本研究は、冬季に過眠、過食、易疲労感を主症状とする冬季鬱病の発現機序を解明する目的で健常人を対象に基礎的検討を行った。すなわち睡眠構造ならびに生体リズムにおける季節変動を検討した。また、冬季鬱病は性差があり、女性での発症が多いとされていることから、女性を対象に選んだ。 初年度は女性を対象とするため、生体リズムないしは睡眠構造が月経周期でどのように変動するかを検討した。その結果、メラトニンリズムの位相は月経周期内では変化しないこと、睡眠構造には変動が認められ月経期、卵胞期の高体温相に較べて黄体前期、黄体後期の低温相ではstage4の出現率が減少していることがわかった。 そこで、2年度は、初年度の月経周期の所見を踏まえ、月経期あるいは卵胞期の高温相において、終夜睡眠脳波ならびに生体リズムの記録を行った。これらの実験は日長時間の最も変化する夏季と冬季において行ない、その結果を比較検討した。また、冬季に、5000ルクスの高照度光を照射し、その際の覚醒度、睡眠覚醒リズム、睡眠特性を検討した。その結果、夏季に較べて冬季では就床時刻が遅れ、体温リズムも位相が遅れていた。また、睡眠構造ではstage4,stage3+4が冬季で有意に増加し、REM潜時が冬季で遅れる傾向が認められた。以前、施行した健常男性の検討でも、睡眠構造に季節変動が認められたが、冬季で深睡眠であるstage4,stage3+4が有意に減少するという結果であった。また、メラトニンリズム、体温リズムでは冬季に位相が後退していた。このことから健常人でも性差により冬季における生理学的な変化が異なる可能性が窺われた。 ついで、冬季に施行した夕方の高照度光照射では、就床時刻が遅れる傾向がみられた。また、主観的評価としては、入眠困難、覚醒度の増加ならびに意欲の亢進というような精神機能への変化を呈するものが認められ、健常人においても高照度光が生理学的指標に影響を及ぼすことが示唆された。 以上のように、札幌においては健常人の生体現象には季節変動の存在することが認められ、鬱病例との比較検討を行なう予定である。
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