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MRIを用いた正常老人脳の追跡による加齢変化と痴呆の早期発見に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670711
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

笠原 洋勇  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60056950)

研究分担者 忽滑谷 和孝  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00218257)
篠崎 徹  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10206104)
恩田 光信  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00142480)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードMRI / 正常老人 / T_1強調画像 / T_2強調画像 / Lacuner infarction / ベントン視覚記銘テスト / 脳波 / PVH
研究概要

正常老人,男性41名,女性77名計118名を対象として頭部MRI所見の画像解析を行った。正常老人は,脳血管障害,頭部外傷,痴呆等の脳障害や罹患を認めず,高血圧などにより通院中であっても存宅で日常の生活を支障なく送っているものとした。MRI所見はT_1強調像,T_2強調像,プロトン密度像によって得られた。読影は12項目について判定基準を定めたうえで,4名の同席判定を行った。
T_2HSIは,72.9%に認められ,加齢とともに増加した。T_2HSIの出現部位は,基底核61.9, 視床39.0%,頭頂葉37.0% 側頭葉12.7%,橋8.5%であった。Lacuner infarctionは24.6%に認められ,加齢とともに増加し,基底核7.6%,視床5.9%であった。脳室周囲の高信号域(PVH)は38.1%にみとめられた。その出現率は加齢に伴って上昇した。
側脳室の拡大は,(+)51.7%,(〓)46.6%,(〓)1.7%であり,第3脳室の拡大は(+)54.2%,(〓)44.1%,(〓)1.7%であり,シリビウス裂の拡大は(-)0.8%,(+)51.7%,(〓)47.5%であり,(十)と(〓)が大部分をしめた。萎縮性の変化は,皮質の萎縮(+)48.3%,(〓)48.3%,小脳の萎縮は(+)66.9%,(〓)32.2%,脳梁の萎縮(+)42.4%,(〓)55.9%であった。また橋の萎縮(±)95.8%,鉄沈着(-)40.7%,(〓)51.7%であった。
MRI所見の相互間の関連をみると,年齢,PVHは,多くの所見と相関が高く,萎縮性変化,血管性変化の両者を反映していた。さらにMRIと同時に行われた,ベントンテストの結果をみると,lacuner infarctionが多発性になればなるほど,誤数が増え,正確数が減少し,特に歪み,大きさの誤り,左右の誤りが生ずるなど,無症候性の梗塞であっても認知機能に障害がみられることがあきらかになった。またMRI所見でT_1LSI(-),T_2HSI(-),PVH(-),ベントンテスト正確数5点以上,脳波正常者は萎縮性変化が(+)のものが多く,これは生理的範囲と考えられた。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 笠原 洋勇 他: "正常老人脳のMRI -放射線診断学的アプローチ-" 東京都老人総合研究所・長期プロジェクト研究報告書 老人性痴呆に関する総合的研究. 179-192 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Kasahara.H: "How many patients with Dementia of the A^<12>heimers Type are there in Japan?" Asian Medical Journal. 36. 76-84 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 笠原 洋勇: "幻覚・妄想状態に対する棄物療法" 老年精神医学雑誌. 3. 1227-1235 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 笠原 洋勇: "高齢者の棄物による異常行動" 精神科治療学. 6. 1267-1276 (1991)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 笠原 洋勇: "痴呆の早期発現と治療計画" 精神科治療学. 6. 817-827 (1991)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 笠原 洋勇: "脳血管性痴呆の疫学的診断基準" 医学のあゆみ. 158. 552-556 (1991)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Kasahara Het al: "Psychogeriatrics:Biomedical and Social Advances Current Clinical Practices Series." Excepta Medica, 400 (1990)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 笠原 洋勇: "アルツハイマー病(分担)" からだの科学増刊, 185 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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