研究課題/領域番号 |
04670766
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 独協医科大学 (1993) 東京医科歯科大学 (1992) |
研究代表者 |
砂川 正勝 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10114761)
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研究分担者 |
河野 辰幸 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00186115)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 食道扁平上皮癌 / c-erbB-2 / EGFR / p53 / MCC / DCC / DNA ploidy pattern / 食道癌の予後 / C-e〓bB-2 |
研究概要 |
(1)食道癌におけるc-erbB-2遺伝子蛋白の血清および組織内濃度:食道癌患者29例の血清及び14例の手術切除組織中の蛋白濃度の測定をEIA法により行った結果、11例(38%)の高頻度でcut off値13.5U/mlを上回る陽性例が認められた。14例の癌組織中の蛋白濃度は61.5±27.0U/mgで同時に測定したEGFR濃度は56.8±27.6fmol/mgであり、c-erbB-2蛋白高値例においてEGFRも高い傾向を認めた。病理学的所見と関連するものは見られなかったが再発死亡例に高い例が認められ、c-erbB-2蛋白濃度は食道癌病変の進展の指標となる可能性が示された。(2)食道癌組織における癌抑制遺伝子p53,MMC,DCCの変異:39例について癌病巣、非癌粘膜、転移リンパ節(他に患者の末梢血)を採取し、PCR-SSCP法によりp53の4つのexon、MMCの7つのexon、DCCの4つのexonについて検討した。p53では15例(38%)、MMCでは12例(31%)、DCCでは3例(8%)に変異を認めた。原発巣および転移リンパ節両者検索例では、MCCでは7例中3例で転移リンパ節のみに変異が検出されたが、p53,DCCでは原発巣とリンパ節に同様の変異が認められた。病理学的所見と3者の変異との間には関連は認められなかったがDCCに変異を認めた3例は全てStage IV症例であり、DCCは食道癌の晩期の進行過程に関連し、MCCはリンパ節転移と関連することが示唆された。(3)食道癌細胞核DNA ploidy patternの解析:癌細胞をDAPI染色して顕微分光測光法により検討した。得られたヒストグラムよりdiploid(D),low grade aneuploid(LGA),high grade aneuploid(HGA)の3型に分類した。78例の検討ではD型20例(26%)、LGA型15例(19%)、HGA型43例(55%)であった。早期食道癌の70%がD型であった。HGA型の患者ではその79%にリンパ節転移が見られ、脈管侵襲も高度で再発も高頻度であった。D型患者の5年生存率は57%であるのに対し、HGA型は14%でDNA ploidy patternが食道癌患者の予後と密接に関連していた。
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