研究課題/領域番号 |
04670782
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山本 剛史 島根医科大学, 医学部, 講師 (30135561)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 血漿潅流 / Plasma perfusion / 腫瘍壊死 / Tumor necrosis / プロテインA / Protein A / 高張塩 / マイトマイシンC |
研究概要 |
体外で(protein Aあるいは高張の塩により)処理した血漿(または血清)を担癌生体に戻すことにより観察される抗腫瘍現象について、以下を検討した。 [1].ヒトの癌腫を標的としてその患者自身の血漿について、in vitroでの細胞障害試験行った。a)protein A(PA)処理血漿は処理血漿(1量)に未処理の自己血漿(4量)が添加されたときにのみ細胞障害活性(10-67%)を示した。b)処理血漿を添加して培養した末梢血リンパ球には細胞障害性を認めなかった。これらの知見は1)抗腫瘍現象は活性化補体の投与などによる宿主の血管系の変性を介さず、2)液性因子の直接的な作用によるもので、3)宿主の腫瘍に対する反応(おそらくは抗原認識)が求められることを示唆する。[2].体外処理に関与する物質の同定を試み、以下の知見を得た。a)熱処理(56℃-30分)に耐性であり、5-12%PEG分画に含まれる。b)Rivanol分画法(D.M.Wier:Handbook of Experimental Immunology(1978)Vol 1,7.5)で得られたIgG分画の1.5M NaCl処理でも抗腫瘍反応が惹起される。更に、c)同法にて得られたIgG分画は高張塩処理などの「処理」を加えずに投与しても有効であり、凍結乾燥したものも有効に作用した。関与物質がIgG分画に含まれること、比較的安定であること、しかし極めて微細な蛋白変性が問題とされることが示唆される。[3].より効果的な応用方法の検討と呈示を目的として抗癌剤との併用効果をVx2腫瘍移植家兎にてMitomycin C(MMC)とPA処理法について検討した。生存日数として、無処置群29日、PA処理血漿投与群34日、MMC2mgx2回投与群32日および併用群39日を得た。PA血漿投与後3-4日後にMMCを投与した場合にその組織内濃度は約10倍にまで高められることが判明した。適切な時期に他療法を併用するにより相乗的効果が得られると示唆される。
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