研究課題/領域番号 |
04670799
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
村田 宣夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10200297)
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研究分担者 |
小高 明雄 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20204216)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 手術侵襲 / サイトカイン / MOF / 呼吸不全 / インチーロイキン6 / RT-PCR |
研究概要 |
高度侵襲手術後の生体反応および呼吸不全を初めとするMOF発症時におけるサイトカインの変動について以下の研究成果を得た。手術侵襲により末梢血中にはIL-6の速やかな増加が認められたが、血中IL-1、TNFは検出感度以下であった。IL-6については手術侵襲の大きさに応じて上昇の程度が異なり、その最高値の平均は胆嚢摘除術において58±27pg/ml、胃亜全摘術では67±32pg/ml、胃全摘術では136±42pg/ml、食道亜全摘術では932±375pg/mlであった。IL-6の産生部位について、末梢血中の白血球を分離し、RT-PCR法でm-RNAの発現を調べたところ、全く存在せず、手術侵襲後のIL-6は手術創あるいは腹膜の細胞と考えられた。IL-1、TNFについても手術侵襲後の末梢血中白血球にはm-RNAの発現は認められなかった。 MOF発症症例ではIL-6は著しい増加を呈し、IL-6濃度が1000pg/ml以上をきたした症例11例中10例がショック状態から改善しなかった。従って、臨床的にショック患者でのIL-6測定は予後の指標として極めて有用であることが判明した。また、MOF症例ではIL-1は全く検出されなかったが、TNFは11例中4例で検出され、いずれも予後不良であった。IL-6高値と共にTNFの検出は重症度をよく反映すると考えられた。 MOFにおいて使用されるプロテアーゼ・インヒビターであるウリナスタチンの使用症例ではIL-6の上昇が抑制されることが判明した。手術侵襲後にこのウリナスタチンを投与し、IL-6の血中濃度を追跡したところ、明かに抑制作用が認められ、今後サイトカインの産生・抑制とプロテアーゼ・インヒビターの作用機構について検討を加える予定である。
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