研究課題/領域番号 |
04670806
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
柏崎 修 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20056518)
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研究分担者 |
田部井 功 東京慈恵会医科大学, 第二外科教室, 助手
田畑 泰博 東京慈恵会医科大学, 第二外科教室, 助手 (20256415)
津田 直哉 東京慈恵会医科大学, 第二外科教室, 助手 (50246419)
久保 宏隆 東京慈恵会医科大学, 第二外科教室, 講師 (70119791)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 小腸粘膜 / 活性酸素 / 虚血 / プリン代謝 / ギサンチンオキシターゼ / キサンチンオキシターゼ / 小腸移植 / 粘膜障害 |
研究概要 |
消化管粘膜はいろいろな方法により、その特性、機能や障害についてさまざまな研究がなされている。我々は高速クロマトグラフィー法により、アデノシン(A)、イノシン(I)、ヒポキサンチン(HX)、キサンチン(X)と尿酸(UA)を測定することにより胃、空腸、回腸の粘膜の特性に関して検討した。【結果】胃体部粘膜におけるHXは52.5±14.4(μg/・gtissue)、Xは8.9±2.4、UAは12.3±0.9で、胃幽門部粘膜ではHXは27.0±7.0、Xは6.9±1.9、、UAは10.0±1.3だった。同様に空腸粘膜ではAは0.66±0.15、Iは116.4±35.1、HXは84.3±26.1、Xは63.2±11.0、UAは30.2±5.8で、回腸粘膜ではAは0.32±0.08、Iは39.6±14.5、HXは28.0±5.6、Xは13.2±5.5、UAは18.4±5.0だった。【考案】胃・小腸の各部位における粘膜のプリン代謝系を測定することによりその機能・病態、特にviabilityの検討を試みた。測定結果より胃体部、幽門部間の粘膜におけるプリン代謝系の有意差はみられなかった。さらに回腸の粘膜も胃の粘膜と比べても有意差はみられなかった。これに対し空腸粘膜における各プリン代謝産物は他の3箇所に比べ高濃度に粘膜内に測定された。このことより空腸粘膜は他の3箇所に比べ細胞周期が短く、mitosisが活発であるためと思われる。McCord等による仮説では、低酸素状態でのプリン代謝系におけるXantine oxidase(XO)の触媒作用により発生するfree radicals(FR)が組織障害の引き金になるという。つまりより活発なプリン代謝系をもつ空腸ではFRの発生が盛んとなり低酸素状態に弱いことが示唆される。虚血再灌流に対する抵抗力は組織内プリン代謝動態が関与しうると思われる。今年度にて私は本研究施設より退官するため上記基礎データを用いて実際の移植時に発生すると考えられる障害についての実験的研究は後進の研究者が引き続きおこなう予定である。
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