研究課題/領域番号 |
04670837
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
河内 寛治 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90116020)
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研究分担者 |
関 寿夫 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10192139)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肥大心筋 / 大動脈弁閉鎖不全症 / 超音波変位測定装置 |
研究概要 |
大動脈弁閉鎖不全症(AR)の外科治療の術前後に超音波クリスタルを用いて外科治療後の左室内径、壁動態並びに持続的熱希釈法による冠状静脈洞血流量を測定することから極度に肥大した病的肥大心筋の改善のメカニズムを検索した。 対象はARで術前EF0.35未満(I群)3例、0.35以上(II群)5例で手術時年齢は58±7才、男5、女3であった。方法は開心術中の人工心肺前と人工心肺終了後血行動態の安定した約1時間後に計測した。超音波クリスタルを左室の心外膜に1対及び壁厚用クリスタルを装着し、超音波変位測定装置により左室内径及び心筋壁厚の変動を検索した。同時に冠静脈洞にウェブスターカテーテルを挿入し、持続的熱希釈法で冠血流量(CSF)を測定した。 I群(低左室機能群)では、拡張末期径(Dd)は人工心肺前68+15から大動脈弁置換術後57±10と術前の84%に減少した。収縮末期径(DS)は54±7から47±10と87%に減少した。一方、fractional shortening(FS)は0.20±0.05から0.18±0.06に減少した。 II群ではDdは56±7から47±10mmと術前の84%に減少し、DSも34±6から27±7mmと術前の79%に減少した。一方、FSは0.39±0.04から0.42±0.09に上昇した。心筋壁厚の変化は両群ともに術前後の変動はわずかであった。 CSFの術前後の変化をみると、I群では人工心肺前170±20から術後155±18ml/分に軽度減少した。II群では140±22から132±18ml/分と軽度減少し、両群間では差はみられなかった。即ち、両群共に手術後、拡張期及び収縮末期左室内径は減少し、冠血流量も減少した。FSは術後II群では増加したが、I群では術後低下し、この術直後の左室収縮能低下が遠隔期の心機能改善不良に関与するものと思われた。
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