研究課題/領域番号 |
04670860
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 信夫 京都大学, 医学部, 講師 (40135570)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脳動脈瘤 / 成因 / 内皮細胞 / 実験的動脈瘤 / 増殖因子 |
研究概要 |
サルおよびラットに一側頚動脈結紮、腎性高血圧誘発、β-aminpropio‐mitrilo投与を行い、脳動脈瘤誘発実験を行った。現在6匹のサルを飼育継続中であるが動脈瘤発生までさらにしばらく時間を要するので、このまま実験続行中である。ラットは誘発処置後4〜6ケ月を経過した時点で、当実験動物センターに韓国熱感染の疑いがでたため、増殖因子投与直前に全動物60匹を焼却廃棄したため、再実験予定中である。コントロールとしてあらかじめ潅流固定した脳動脈瘤誘発ラット脳底部脳血管分板部においてエラスターゼの免疫組織学的検討を行ったところ、脳動脈瘤初期病変開口迫位側でエラスターゼ活性の上昇を認めた。この部はすでに行った流体力学的研究から最も圧隔差の強いところであり、流体力学的ストレス-エラスターゼで活性の上昇-内弾性板の断裂消失-壁膨隆というプロセスが実験的に証明された。他方、内皮細胞障害とその修復機能が脳動脈瘤発生に関与していることを一連の実験の中で証明しており、その基礎的裏づけを得るために内皮細胞由来増殖因子の検討も行なった。SHRラット培養大動脈由来増殖因子活性をWKYラットと比較したところ、SHR内皮細胞増殖因子活性の元進は質的差異によるものではなく、ある特定の遺伝子産物の量的な差異であることが証明された。PDGFB鎖のノザンブロットではSHRではWKYに比して2〜4倍の発現の元進を認めた。また脳虚血におけるPDGFの発現を免疫組織学的にみると、術後2時間目より虚血巣内PDGFの免疫反応の増強がみられ、術後2日目より、梗塞巣に集積するmacnphageにPDGF特異反応がみられた。これらの知見をさらに進めて、脳血管分板部動脈瘤発生およびその修復にPDGFがどう関与するか検討予定である。
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