研究課題/領域番号 |
04670874
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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研究分担者 |
門田 静明 順天堂大学, 医学部, 助手 (60204517)
宇藤 章 順天堂大学, 医学部, 助手 (10185051)
安本 幸正 順天堂大学, 医学部, 助手 (20175649)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 海馬 / 神経細胞 / グルタミン酸 / カルシウム / 細胞死 / 低体温 / 神経毒性 / 神経保護 / 培養神経細胞 / グリア / 神経保護作用 / 脳虚血 |
研究概要 |
目的:低脳温がグルタミン酸(GLU)により誘発される神経細胞内Ca_2+濃度([Ca_2+]i)上昇と神経細胞死をいかに修飾するかをin vitroで検討した。方法:(1)実験にはラット胎仔海馬より樹立した初代培養神経細胞を用いた。(2)蛍光Ca_2+指示薬Fura-2を神経細胞内に導入した後、37℃及び30℃の条件下で、これらの細胞にGLU(10,100μM,1mM)を15分間負荷した。負荷中、負荷後の[Ca_2+]iの変動をSPEX細胞内Ca_2+測定装置を用いて測定した。(3)別の実験系では、37℃及び30℃の条件下で神経細胞に(1)と同様にGLUを負荷、次いでこれらの細胞を正常環境(37℃)で24時間培養、その後に生存細胞数を算定した。結果:(1)100μM,1mMGLU負荷により[Ca_2+]iは著名に上昇し、負荷終了後刺激前値への回復は遷延した。(2)GLUによる神経細胞死の発現は、100μM,1mMGLUで有意となった。(3)培養温度を30℃にしても(1),(2)の結果は37℃と同様で、低温条件はGLUにより誘発される[Ca_2+]i上昇と神経細胞死を抑制しなかった。考察:他の研究者のin vivoの実験結果によると、脳虚血はGLUの細胞外腔への過剰放出とCa_2+の細胞内流入を惹起し、低脳温はこれらを抑制する。今回の実験結果は、脳虚血にともない一度GLUの過剰放出が起こってしまうと、脳温を低下せしめても[Ca_2+]iの異常上昇と神経細胞死を阻止出来ないことを示唆した。しかし、脳虚血後超早期に低脳温を開始すれば、病態の進行を抑制しうるものと推定される。
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