研究課題/領域番号 |
04670905
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
塚本 行男 北里大学, 医学部, 教授 (40050398)
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研究分担者 |
山本 真 北里大学, 医学部, 教授 (60050332)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 動揺性検査 / ロボティクス / 靭帯損傷診断 / 超音波 / 骨位置計測 |
研究概要 |
我々は、外傷による靭帯損傷の診断のひとつである動揺性検査にロボティクスを応用し、より信頼性のある診断方法の確立を目指している。昭和62年度以来、文部省の科学研究費の補助によりこの新しい診断方法の開発を行ってきた。その過程で、数々の問題に行き当たったが、もなかでも問題だったのは、「外から見えない大腿骨と脛骨の相対変位をどのように計測するか」ということだった。本研究では、生体に無害である超音波を用いることで、この問題を解決することを試みた。 まず、予備実験では音波測定装置を、電子冷熱器、被験体を入れる浴槽、超音波トランスデューサとその位置決め器、パルスレシーバ、デジタルオシロスコープ、計測用パーソナルコンピュータ(本科学研究費にて購入)を用いて構成した。豚のもも肉を被験体として、生体内における音波速度を計測したところ、1564m/sとなった。予備実験における音速の結果を基に、本実験を行った。音波測定装置を、すでに開発済みの「膝関節動揺性試験ロボット」(科学研究費による開発)に組み込んだ。測定対象として12人の健常な人間の膝を用いた。動揺性試験を試みる手順で膝関節を装具に固定し、超音波による膝関節の相対変位と、レントゲンによる相対変位を比較した。その結果、超音波で測定された変位は、レントゲンで測定された変位に対し相関係数0.98で相関しており、99%信頼域も極めて小さかった。つまり、超音波により膝の相対変位が計測可能であることが分かった。さらに、超音波を用いた膝動揺性の測定の結果と、用いなかった測定の結果を調べたところ、全体としては差がなかったものの、超音波を用いたほうが測定のばらつきが小さくなる傾向を示した。これは、従来の方法では解決できなかった軟組織の厚みの影響を、超音波による方法で除外したためであると考えられた。 超音波による骨の位置計測方法を確立し、その有効性を確認した。本方法を用いて、ロボティクスによる膝靭帯の損傷診断をさらに信頼性のあるシステムに改良中である。
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