研究課題/領域番号 |
04670920
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
太田 宗一郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (50144027)
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研究分担者 |
野崎 正勝 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30021380)
下中 浩之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90135202)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | オピオイド受容体 / 受容体結合実験 / モルヒネ耐性・依存 / α2アドレナリン受容体 / Up regulation / 硫酸モルヒネ徐放錠 / 退薬症候 / α_2アドレナリン受容体 / モルヒネ耐性および依存性 |
研究概要 |
本研究において、モルヒネを慢性投与した場合の耐性および依存形成のメカニズムを探るために、癌性疼痛患者に臨床使用されている硫酸モルヒネ徐放錠を小動物に投与し、依存性形成を試験した。さらに各タイプオピオイド受容体に選択的なリガンドを用いて、モルヒネ依存時の脳内μ、δおよびκタイプオピオイド受容体の変化について比較検討した。また、α2アドレナリン受容体作用薬であるクロニジンについて、鎮痛作用、麻薬の耐性および依存性形成に対する影響を試験し、モルヒネ依存時の脳内α2アドレナリン受容体の変化も併せて検討した。 1)モルモットの皮下に硫酸モルヒネ徐放錠(300mg/kg)埋め込んだ。埋め込み1、2、3あるいは7日目にナロキソンによる退薬症候を観察したところ、2日目にジャンピング反応を指標とする退薬症状が最も強く出現した。 2)モルヒネ依存獲得動物を2日目に断頭し、脳膜標本を調整し受容体結合実験を行った。モルヒネ依存群では、対照群と比べ、μ選択性リガンドの^3H-DAGO結合、δ選択性リガンドの^3H-DPDPE結合およびκ選択性リガンドの^3H-U69593結合のいずれにおいても、Bmax値(総受容体濃度)の有意な増加が認められたが、Kd値(受容体親和性)には有意な差はなかった。したがって、モルヒネ依存獲得時において、脳内のμ、δおよびκオピオイド受容体のup regulationが確認された。しかし、埋込み7日目には脳内のいずれのオピオイド受容体のBmax値も対照群の値に復帰した。 3)α2アドレナリン受容体選択性リガンドの^3H-UK14304を用いて、上記と同様に受容体結合実験を行った。モルヒネ依存群では、対照群と比べ、Bmax値(総受容体濃度)の有意な増加が認められ、モルヒネ依存獲得時において脳内のα2アドレナリン受容体のup regulationが確認された。 4)クロニジンは鎮痛作用を持つと考えられるが、それはオピオイド受容体を介するものではない。 5)受容体結合実験においてクロニジンはオピオイド受容体と相互作用しないにもかかわらず、モルヒネ処置モルモットから得られた摘出回腸モデルにおいて、モルヒネとクロニジンの間に交叉耐性様の現象が認められた。
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