研究課題/領域番号 |
04671054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
富山 俊一 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00094665)
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研究分担者 |
山野辺 滋晴 日本医科大学, 医学部, 講師 (20210510)
青木 秀治 日本医科大学, 医学部, 講師 (80159293)
後藤 裕一 日本医科大学, 医学部, 助手
池園 哲朗 日本医科大学, 医学部, 助手
野中 学 日本医科大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 内耳 / 内リンパ嚢 / 免疫反応 / 眩暈発作 / 内リンパ水腫 / 覚音難聴 / 温度眼振 / 活性酸素 / 〓〓難聴 / 内耳免疫 / 蝸電図 / 聴性脳幹反応 / 自発眼振 / 外リンパ抗体 |
研究概要 |
目的:内耳免疫疾患の発症機序を調べる目的で実験動物(モルモット)内リンパ嚢局所での二次免疫反応(以下内耳刺激と略す)が内耳の機能、形態に及ぼす障害を検索した。 結果:1.形態の変化(1)内リンパ水腫;内耳刺激後5時間目で球形嚢、蝸牛基底回転には軽度の大きさの水腫が発生し、その後2日目までに急速に増大し、頂回転にも出現した。1週以後徐々に消退した。9週以後、球形嚢、基底回転、頂回転から緩慢な水腫形成が再び始まった。(2)内リンパ嚢細胞浸潤;内耳刺激後2時間目から内リンパ嚢への多核球、マクロファージの浸潤がはじまり、12時間後にはピークに達し無数の炎症細胞が嚢腔内および周囲組織に浸潤した。しかし球形嚢や蝸牛への細胞浸潤は稀であった。1週以後はリンパ球、形質細胞が主体をなし、嚢周囲組織への細胞浸潤が4ヵ月以上に及んだ。(3)内耳組織変性;蝸牛ではラセン器、ラセン神経節、血管条に発生した。前庭系有毛細胞の変性は球形嚢が最も多く、卵形嚢、半規管は球形嚢変性の半数以下であった。蝸牛変性は内耳刺激翌日からおこり、外リンパ腔領域への出血を伴っていた。内リンパ嚢基底膜の4型コラーゲン、ラミニンの連続性離断が内耳刺激2日目で観察され、同時に上皮直下にフィブロネクチンの局在を認めた。内耳刺激5時間目にはmyeloperoxidaseが内耳全域に遊離され、活性酸素による組織障害の関与を示唆した。2.機能の変化(1)聴覚;蝸電図、聴性脳幹反応での聴覚閾値が内耳刺激2〜3日目で一過性に上昇した。(2)温度眼振;内耳刺激2〜3日目から反応が低下し、4週後には回復傾向を示した。(3)自発眼振;内耳刺激12時間目頃に刺激眼振が出現し、その後麻痺性眼振に移行し、平均約1日持続した。3.免疫反応程度と内耳障害程度との関係;内耳機能障害、組織変性程度と内耳刺激後1週以内での外リンパ抗原特異的抗体価上昇とは有意に相関した。まとめ:内リンパ嚢免疫反応がメニエール病類似の眩暈発作所見を呈することから、今後の研究により治療の確立が期待される。
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