研究課題/領域番号 |
04671062
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 克宏 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20200610)
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研究分担者 |
山田 桂 東北大学, 医学部・附属病院, 医員
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ストレス蛋白 / 網膜 / 絶対緑内障 / 眼細胞 / 内節 / フィッシャーラット / 高体温 / 加齢 / 熱ショック / 視細胞外節 / 視細胞内節 / HSP70 / 角膜 / 円錐角膜 / 水疱性角膜症 / 絶性緑内障 |
研究概要 |
細胞が環境の変化に応じて防御反応を行う際に産出するタンパク質は、ストレス蛋白として知られ、最近は細胞生物学的解析にとどまらず、臨床医学の場でもその重要性が明らかにされつつある。前年度は、ヒト絶体緑内障網膜に発現することを報告した。近年網膜の加齢による疾患が増加してきており、網膜の老化とストレス蛋白の関係を検討することは意義があると考えられる。我々は、老化モデル動物であるFischer344ラットを用いて、網膜熱ショック応答と加齢の関係を調べた。はじめに、生後3月および20月の網膜において、70kDストレス蛋白(HSP70)の局在を免疫組織化学的に検討し、さらにデンシトメトリーによる解析を行った。その結果、免疫染色の程度は強いほうから網膜外網状層、視細胞内節、内網状層、外顆粒層、内顆粒層、視細胞外節の順であり、月齢による差はみられなかった。次に、ラットを麻酔し温度コントロール状態の保育器に入れ、体温が41.3±0.3℃となるような熱ショックを与え、その網膜を同様に解析した。熱ショック後18時間では、生後3月ラットの網膜視細胞外節のHSP70が4倍に増加した。生後20月ラットでは、逆に40%に低下した。生後3月ラットの視細胞内節および網膜外顆粒層では、熱ショック後50時間後に増加したが、生後20月ラットではあきらかな増加は認められなかった。このように、加齢網膜では熱ショック応答が低下することが示された。我々は先にヒトの網膜におけるHSP70の局在を検討した。正常網膜では、HSP70は内、外網状層にわずかに認められるのみであったが、緑内障眼では視細胞内節、外顆粒層、神経細胞層に局在が認められ、ヒト網膜でも機能的役割を演じていることが示された。したがって、加齢網膜におけるHSP70発現の低下は、加齢による眼底疾患の発症と関連することが示唆された。
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