研究課題/領域番号 |
04671094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
内田 隆 広島大学, 歯学部, 教授 (50150305)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エナメル蛋白 / 非アメロゲニン蛋白 / 小柱鞘蛋白 / エナメル小柱 / 小柱鞘 / エナメル質形成 / 免疫組織化学 / 免疫化学 |
研究概要 |
ブタ幼若エナメル質の表層より抽出精製した分子量13‐15kDaの非アメロゲニン蛋白のN端部アミノ酸配列を含むベプチドを4種類合成し、それらに対する特異抗体を作製して免疫組織化学と免疫化学によってブタの幼若エナメル質を検索した。これらのうち、抗体を作製中のものもあり、現在までにまとまった結果の得られたものは下記の2種類である。 1.15kDa蛋白のN端部に対する抗体は、免疫化学で分子量15‐19kDaの蛋白と強く反応したほか、30‐40kDa、62kDaの蛋白と反応し、このうち40kDaと62kDa蛋白は幼若エナメル質表層のみに認められたが、他の蛋白は幼若エナメル質全層に認められた。免疫組織化学では基質形成期から成熟期初期に至るまでの幼若エナメル質全層の小柱鞘が強く反応した。また形成期では幼若エナメル質表層のエナメル小柱とエナメル芽細胞のゴルジ装置、分泌果粒も反応した。 2.13kDa蛋白のN端部に対する抗体は、免疫化学では13kDa蛋白とのみ反応した。免疫組織化学では、エナメル小柱は全く染色されず、小柱鞘のみが染色され、その反応は、エナメル質表面から中層に向けて次第に強くなった。またエナメル芽細胞の分泌果粒やゴルジ装置は全く反応しなかった。 以上の結果、小柱鞘に局在する13‐17kDa蛋白のうち、15‐17kDa蛋白はエナメル芽細胞から分泌された分子量62kDaの蛋白の分解産物であり、そのアミノ酸配列の主要部分は共通である可能性が明らかになった。従って、この前駆蛋白と小柱鞘に局在する蛋白を「小柱鞘蛋白」とよぶことを提案したい。一方13kDa蛋白も大分子蛋白の分解産物であることが明らかになったが、その前駆蛋白を明らかにすることはできなかった。
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