研究課題/領域番号 |
04671098
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
松尾 三郎 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (30144497)
|
研究分担者 |
清宮 健一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50234399)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | golgi apparatus / CoA Pase / CMPase / NAF / レクチン / amelogenin抗体 / エナメル芽細胞 / CMP ase / NaF / エナメル質 / 石灰化 / 糖鎖 / golgi装置 |
研究概要 |
エナメル基質の形成・石灰化における糖質の役割を明らかにすることを目的として以下のことを調べた。(1)糖鎖の修飾において重要な役割を果たしているゴルジ装置の形成・発達の機構を、分化期エナメル芽細胞を用いて、TGNのマーカー酵素であるCoA PaseおよびCMPaseの活性を示すsacculeと、形成・発達期のGolgi stackとの関連により調べた。(2)斑状歯を導くフッ素が、分泌期エナメル芽細胞によるエナメル基質の分泌・形成に対してどのような影響をおよぼすかを、4種類のlectinとamelogenin抗体を用いて調べた。分化期エナメル芽細胞では、sacculeの数やその長さにおいて様々な大きさを示すGolgi stackや小胞の集団が、核の近位や側方部で、単独または集合して見られ、これらはCoA PaseおよびCMPase活性を示すsacculeに常に隣接していた。さらに、細胞の分化にともない、CoA PaseおよびCMPase活性を示すsacculeに隣接したGolgi stackの数は増加していた。これらのことから、TGNとGolgi stackとは、それらの形成・発達過程において異なっており、TGNは新たなGolgi stackの形成において、その位置を調節しているのかもしれないと考えられた。分泌期エナメル芽細胞細胞の合成・分泌に対するフッ素の影響を高用量のNaFを背部皮下に4日間投与したラットにより調べたところ、フッ素を処理した分泌期エナメル芽細胞では、大型空胞や様々な電子密度を持った大型顆粒の集積と、小胞体間やゴルジ装置と大型顆粒周辺での小胞の集積が見られた。、ゴルジ装置ではmedialとtrans Golgi sacculeの拡張が見られた。大型顆粒におけるレクチンの染色性は顆粒の電子密度により異なり、amelogeninの含量も異なっていた。また、大型顆粒が相互に融合している像も見られた。これらのことから、集積した大型顆粒はエナメル蛋白合成過程の様々な段階から異常に形成されたものと考えられる。また近年、細胞内の小胞輸送に三量体G蛋白が関与していることが示されるとともに、F^-がこの蛋白を活性化することも示されている。一方、小胞の集積や小胞を含む大型顆粒が細胞質の様々な部位で見られたことを考え合わせると、フッ素処理が分泌期エナメル芽細胞の細胞内小胞輸送を乱すことを示すとともに、フッ素が分泌期エナメル芽細胞の小胞輸送においてsortingとfusionの両過程を障害する可能性を示しているものと考えられる。
|