研究課題/領域番号 |
04671133
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤井 彰 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (70102564)
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研究分担者 |
山根 潤一 日本大学, 松戸歯学部, 講師(専任扱) (20220428)
中尾 寿美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20102577)
松本 裕子 日本大学, 松戸歯学部, 副手 (50221594)
秋元 芳明 日本大学, 松戸歯学部, 専任講師 (10147720)
山本 浩嗣 Nihon Univ.Sch, Dent.Matsudo, Prof. (00102591)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 歯肉肥厚 / ニフェジピン / 歯肉線維芽細胞 / 組織培養 / 細胞内カルシウム応答 / ブラジキニン / 細胞増殖 / DNA合成能 / カルシウム拮抗薬 / フェニトン / ヒスタミン / カルシウム拮抗剤 / 線維芽細胞 / コラーゲン合成能 / カルシウム取り込み / 細胞内カルシウム濃度 |
研究概要 |
フェニトイン、サイクロスポリンA、およびカルシウム拮抗薬が歯肉肥厚を起すことが知られている。特にフェニトインについては多くの研究がなされ、報告も多い。しかしながら、これらの薬物が強弱の差はあれカルシウム拮抗作用を持つにもかかわらず、カルシウム拮抗作用と歯肉肥厚との関係は明らかにされていない。一般に、細胞増殖のサイクルにカルシウムがセカンドメッセンジャーとして深く関与しているにもかかわらず、カルシウム拮抗作用を有する特定の薬物が歯肉肥厚を惹起することは興味深い。カルシウム拮抗薬は高血圧症、狭心症、また一部不整脈用薬として繁用されており、過度の歯肉肥厚により投薬を中断せざるをえない状態にまでなることも往々にして見られる。このように心血管系の疾患をはじめ多くの疾患に使用され、その使用頻度も増加の一途をたどっている現在、歯肉肥厚を防止する手段は早急に解決されねばならない課題であると考えられる。 そこで本研究では、カルシウム拮抗薬の中で、特に歯肉肥厚発症頻度の高いニフェジピンに注目し、ニフェジピンを投与することによって歯肉肥厚を起した患者(NIFr)及び歯肉肥厚を起さなかった患者(NIFn)由来の歯肉線維芽細胞を得、以下を明らかにすることを試みた。1)カルシウム拮抗薬存在下における細胞増殖能、DNA合成能、コラーゲン合成能の比較 2)各種刺激物質による細胞内カルシウム応答の比較 3)ニフェジピン及びフェニトインにより歯肉肥厚を起した患者由来線維芽細胞の特性の比較。 これらの検討結果より、1)NIFr由来線維芽細胞でニフェジピン存在下において細胞増殖能、DNA合成能、コラーゲン合成能が高いこと;2)NIFr由来線維芽細胞はNIFn由来線維芽細胞に比較し、細胞内カルシウム応答においてヒスタミン、ボンベシンではより大きく変化し、ブラジキニン、トロンビン、プロスタグランディン(E_2、F_<2α>)、PDGFではより小さく変化した。したがって、歯肉肥厚には起炎物質の中でヒスタミンがより強く関与することが示唆された;3)フェニトインを投与することによって歯肉肥厚を起した患者由来線維芽細胞のほうがNIFr由来のそれに比較し、各種起炎物質による細胞内カルシウムの変化が大きく、歯肉肥厚発生頻度との間に関係が推測された;4)歯肉由来線維芽細胞に対して最も大きな変化を与えるブラジキニンについて検討したところ、細胞内カルシウム変化は温度依存性であり、またブラジキニンB_2レセプター拮抗薬によって抑制された。
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