研究概要 |
Substance P (SP), acetylcholine (Ach)およびnoradrenaline (NA)によるラットの顎下腺からの唾液、蛋白および糖蛋白(GP)の分泌に対するvasoactive intestinal peptide (VIP), peptide histidine isoleucine (PHI), secretin, gastoric inhibitory peptide (GIP), calcitonin gene-related peptide (CGRP)および calcitonin (CT)の作用について検討した。 結果: 1. NAに対する VIPとその類似体(1)NAによる唾液と蛋白分泌の増大は、VIPおよびsecretinの前投与でみられ、PHIおよびGIPの前投与でみられなかった。(2)NAとVIPの併用投与による分泌唾液は、主に顆粒管由来のGPを含有した。(3)NAとVIPの併用による協力作用は、prazosin で拮抗した。 2.SPに対するVIPとその類似体(1)SPによる唾液と蛋白分泌の増大は、VIPおよびsecretinの前投与でみられ、PHIとGIPの前投与でみられなかった。(2)SPとVIPの併用による分泌唾液は、主に腺房由来のGPを含有した。 3.AChに対するVIPとその類似体(1)AChによる唾液と蛋白分泌の増大は、VIPおよびsecretin の前投与でみられ、PHIおよびGIPの前投与でみられなかった。(2AChとVIPおよびsecretinの併用による分泌唾液は、主に腺房由来のGPを含有した。(3)AChとVIPの併用による唾液分泌の増大は、atropine(ATR)および4-DAMPで、蛋白分泌の増大は、ATRおよびphentolamine(PHT)で抑制した。(4)AChとsecretinの併用による唾液分泌の増大は、PHTおよびhaloperidolで抑制した。 4.SPに対するCGRPおよびCT(1)SPによる唾液分泌の増大は、CGRPおよびsalmon CTでみられ、rat CTでみられなかった。(2)SPとCGRPの併用による協力作用は、spantideおよびCGRP-(8-37)で拮抗した。これらの結果より、VIPとsecretinは、SP,NAおよびAChによる唾液と蛋白の分泌を、また、CGRPおよびsalmonCTは、SPによる唾液分泌を増大させることが示唆された。
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