研究課題/領域番号 |
04671147
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
|
研究分担者 |
尾形 圭五 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30214000)
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 糖尿病 / 歯肉炎 / 白血球 / ラット / 遊走能 / 貪食能 / 殺菌能 / インスリン / 歯周炎 / マクロファージ / 貧食能 |
研究概要 |
まず、自然発症歯肉炎ラット(ODUS/Odu:SUS)および正常ラットにストレプトゾトシン(STZ)を静脈内投与し、糖尿病を発症させた。糖尿病発症4週後より一部のラットにインスリンを皮下投与し、血糖値の改善をはかった。それぞれのラットのpocket probing depth、血糖値、HbA_1c、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)トリグリセライドおよび血清インスリン値を測定した。白血球機能は、ラット腹腔マクロファージおよび多形核白血球の遊走能、貪食能および殺菌能を測定し、糖尿病が歯周疾患に及ぼす影響について検討を行った。糖尿病発症歯肉炎ラット(SUS-STZ)は、他のラットに比べて白血球の機能が低下しており、また、pocket probing depthも深くなることが判明した。とくに、SUS-STZの下顎前歯部のpocket depthはSUSと比べて有意(P<0.05)に深くなり、糖尿病の併発により歯周疾患の悪化することが明らかとなった。また、マクロファージの貪食率および貪食度に関しては、SUS-STZは他のいずれのラットに比べても、有意に低い値(P<0.05)を示した。糖尿病の併発により、マクロファージの貪食能は強く抑制されることが明らかとなった。また、SUSおよびSUS-STZにおいて、マクロファージの貪食率および貪食度と血糖値は負の相関性を示し、血糖値が高いほど、貪食能の低下とすることが明らかとなった。マクロファージの遊走能および殺菌能についても同様の結果が得られた。以上のことから、マクロファージの貪食能、遊走能、および殺菌能など白血球機能の抑制が、白血球の非特異的感染防御機構に影響を与え、糖尿病併発時において歯周疾患が増悪し、あるいは、難治性を示す要因になることが考えられる。今後は、短期間あるいは長時間のインスリン投与による血糖値の改善により、歯周疾患の程度および白血球機能に及ぼす影響について詳細な検討を加えていきたいと考える。
|