研究課題/領域番号 |
04671148
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
大久保 つや子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40099065)
|
研究分担者 |
柴田 学 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40099049)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | サブスタンスP / ユ-ジノール / グアヤコール / 線維芽細胞 / 増殖 / フエノール系薬剤 / サブスタンス P / 歯髄線維芽細胞 / 細胞増殖 |
研究概要 |
サブスタンスPは一次知覚神経から遊離して、中枢端側では神経伝達に関わり、末梢端側では炎症のケミカルメディエーターとして作用するとされるが、更に組織の再生や構造の保持にtrophic(栄養的)factorとして働くとの報告がある。一方、歯科用フェノール系薬剤のユ-ジノールやグアヤコールは、特に歯髄炎症の処置に繁用されるが、最近ヒト歯髄線維芽細胞の増殖を促進するとの報告が見られる。本研究では、フェノール系薬剤の炎症に際しての組織修復の機構を明らかにするために、これら薬物の歯髄線維芽細胞増殖作用をサブスタンスPの neurotrophic な作用との関連で検討した。線維芽細胞は、ラット上顎切歯歯髄よりコラゲナーゼ処理により採取した後、10%fetalcalf serumを添加したDulbecco's modified Eagle's mediumにて培養を行った。線維芽細胞増殖作用は、^3H-thymidineの取り込みを指標に観察した。サブスタンスP(10^<-9>-10^<-6>g/ml)は、有意に線維芽細胞増殖を引き起こした。また、ユ-ジノール(10^<-8>-10^<-6>g/ml)とグアヤコール(10^<-8>-10^<-6>g/ml)によっても、有意な線維芽細胞増殖が観察された。ユ-ジノールの高濃度では、かえって増殖が阻害された。0.005%のユ-ジノール及びグアヤコールによって、細切したラット歯髄組織からのサブスタンスP遊離が有意に増加した。これらの結果から、ユ-ジノール、グアヤコールには、これらの薬物による直接的な歯髄細胞増殖促進作用だけでなく、サブスタンスP遊離作用と、それに引き続いて起きるサブスタンスPによるneurotrophicな作用も介して組織修復に働く可能性が示唆された。
|