研究課題/領域番号 |
04671159
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
新井 英雄 岡山大学, 歯学部, 助手 (70222718)
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研究分担者 |
高橋 慶壮 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70243475)
小林 芳友 岡山大学, 歯学部, 助手 (90234856)
栗原 英見 岡山大学, 歯学部, 助教授 (40161765)
村山 洋二 (村上 洋二) 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 歯周炎 / Interleukin-2 / 細胞内シグナル伝達 / T細胞 / CD3 / Interleukin-2(IL-2) / IL-2レセプター / 若年性歯周炎 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / phorbol myristate acetate(PMA) / ionomycine / 細胞内情報伝達系 |
研究概要 |
T細胞の歯周病病態への役割を考察することを目的に、歯周病患者48名を含む被験者72名の末梢血を用いて単核球サブセットの割合、及びT細胞機能を調べた。結果は、いずれも個体差が大きく歯周病の臨床所見や病型とは相関し難いというものであったが、CD3分子への刺激でInterleukin-2(IL-2)産生能が亢進あるいは低下した被験者4名が検出された。これら被験者についてIL-2産生能の発現様式を細胞内シグナル転送の点から調べた。その結果、1名の被験者にみられたIL-2産生能亢進に細胞内Ca^<2+>濃度の上昇に関わる過程が関与し、被験者3名のIL-2産生能低下にはこの過程が関与しないことが示唆された。本研究においてIL-2産生能が亢進した被験者では、その原因として細胞内Ca^<2+>の極端な上昇が関与していることが示唆され、このことは歯周病との関わりの面からだけでなく、細胞内Ca^<2+>の上昇そのもののメカニズムの面からも興味がもたれる。一方、IL-2産生能の低下がみられた被験者3名はT細胞の機能低下に基づく易感染性宿主として注目される。本研究でとりあげた特徴的なIL-2産生能を示す4名の被験者のうち3名は若年性歯周炎に罹患していた。しかし、問診と一般血液検査の結果に限っては、これら3名の被験者は歯周病以外の疾患には罹患していなかった。従って、わずかな宿主応答の異常は、歯周病のような、常時慢性的な細菌刺激を受ける局所での感染性疾患に結びつき易いが、全身的な感染性疾患に結びつくことは少ないと考えられる。以上から歯周病の発症と進行と様式は多様で、それらの様式は個体レベルで明確にされなければならないことがうかがわれた。
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