研究課題/領域番号 |
04671160
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡本 莫 広島大学, 歯学部, 教授 (50028742)
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研究分担者 |
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 血小板活性化因子(PAF) / 好中球 / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
ヒト健康・炎症歯肉より抽出した脂質の定性をHPLC及び血小板凝集能を用いて行い、platelet-activating factor(PAF)を同定した。ヒト歯周組織におけるPAFの動態について検討し、ヒト炎症歯肉では健康歯肉に比べ高濃度のPAFが存在することを認めた。 ウサギ好中球におけるPAFの細胞内カルシウム([Ca^<2+>]i)の動態について検討した。PAFによる[Ca^<2+>]i上昇はPAF受容体拮抗薬BN50739とphospholipase C(PLC)阻害剤U-73122により抑制された。また[Ca^<2+>]i上昇はprotein kinase C(PKC)を活性化するphorbor esterにより抑制されPKC阻害剤staurosporine及びcalphostine Cにより増強された。以上の結果よりPAFによる[Ca^<2+>]i上昇はPAF受容体を介し受容体と共役したPLCの活性化に起因しており、この[Ca^<2+>]i上昇はPKCにより抑制的に制御されていることが示唆された。 FMLP(N-formyl-methionyl-leucyl-phenylalanine)による[Ca^<2+>]iの動態について検討した。FMLPの[Ca^<2+>]i上昇は初期の一過性上昇とそれに続く持続的上昇を認めた。この[Ca^<2+>]iの持続的上昇はBN-50739とPAF合成阻害作用を有するTPCK及びphospholipaseA_2阻害剤manoalideにより抑制された。以上の結果よりFMLPによる[Ca^<2+>]iの持続的上昇はPAFを介している可能性が示唆された。12-hydroxyeicosatetraenoic acid(12-HETE)による[Ca^<2+>]i上昇について検討した。12-HETEの[Ca^<2+>]i上昇はBN-50739及びTPCKにより抑制された。以上の結果より12-HETEによる[Ca^<2+>]i上昇はPAFを介している可能性が示唆された。 以上の結果よりPAFが歯周疾患の発症に何らかの関わりを有している可能性が推察され、PAFによる好中球の活性化機序を解明することは歯周病発症機構におけるPAFの役割を明確にするのに不可欠と考えられ本研究を押し進める必要があると考えられる。
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