研究概要 |
1.根管壁面象牙質には無数の象牙細管の開口が観察され、1つの象牙細管の直径は約2.0μmであった。また、ファイリング操作により壁面は凹凸様を示した(約2〜5μm)。AFM観察により、根管壁面を高分解能で3次元的にとらえることができた。 2.CanalsおよびTubli-sealの酸化亜鉛ユージノール系シーラーは高い親水性を示した。CRUSおよびSealapexの水酸化カルシウム系シーラーは象牙質と近い値を示した。また、ヨードホルム系のシーラーであるDentalis KEZは疎水性を示した。すなわち、シーラーの構成成分によりhydrophobicityに相違のあることが明らかになった。 3.硬化後各シーラー表面にはシーラーの成分であるO,I,Ba,Zn,Si,およびBiの存在を認めた。しかし、シーラーの構成成分として多くの割合で含まれているCaは認められずシーラー構成成分でないCの存在を多く認めた。また、シーラー成分に多くの割合で含まれているCaは表層下50nmの層で認めた。すなわち、各種シーラーの表面と表層下とでは、化学組成は、大きく異なることが明らかになった。
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