研究課題/領域番号 |
04671183
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
矢谷 博文 岡山大学, 歯学部, 助教授 (80174530)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (00225195)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ヒト顎関節 / 顎関節内障 / 保存療法 / 顎関節現格断層エックス線写真 / 進行性リモデリング / 退行性リモデリング |
研究概要 |
ヒト顎関節に生じる形態学的変化(リモデリング)については、下顎頭骨折や顎外科矯正処置後にみられたとする症例が数例報告されているだけで、ほとんど明らかにされていないといってよい。また、この形態学的変化は新しい下顎頭位に対する適応変化の一つの表われであると解釈されているが、その証拠はない。 そこで、関節円板が前方偏位した94名の顎関節内障患者の188顎関節(このうち61関節は復位性、58関節は非復位性関節円板前方転位と診断された)に、保存療法後にどのような形態的変化が現われるかを放射線学的に検討し、次のような結果を得た。 1.形態的変化のほとんどは下顎頭に生じ、側頭骨(下顎窩、関節結節)にはほとんど変化が生じなかった。すなわち、39の下顎頭に進行性リモデリング、15の下顎頭に退行性リモデリングが生じたのに対して、3関節結節に退行性変化が生じたのみであった。 2.進行性変化としては、下顎頭の二重輪郭像の出現および下顎頭全体が丸みを帯びるという変化が観察された。これに対して、退行性変化としては、下顎頭前関節面あるいは後関節面の扁平化、下顎頭の短縮化、あるいは関節結節の扁平化が観察された。 3.顎関節の形態学的変化を起こす頻度と患者の年齢には関連があり、高齢になるにつれて、進行性リモデリングの頻度は減少し、退行性リモデリングの頻度は増加した。 4.正常顎関節にはほとんど形態的変化が生じなかったのに対し、復位性関節円板前方転位では36%、非復位性関節円板前方転位では41%に形態変化が生じた。復位性関節円板前方転位ではそのほとんどが進行性リモデリングであった(34%)のに対し、非復位性関節円板前方転位は進行性変化と退行性変化の頻度がそれぞれ23%と18%であった。 5.円板の復位が得られた関節と得られなかった関節では、前者のほうが形態的変化を起こす頻度が高く、そのほとんどは進行性リモデリングであった。すなわち、円板復位に得られた関節全体の42%に進行性、3%に退行性リモデリングが生じたのに対し、復位の得られなかった関節全体の13%に進行性、17%に退行性リモデリングが生じた。 6.保存治療により下顎頭位が後方あるいは上方に変位した関節では形態的変化がまったくみられず、前方あるいは下方に変化した関節では47%、下顎頭位が変らなかった関節では33%に形態変化が観察された。前方あるいは下方に変位した場合のほとんどは進行性リモデリングであった(41%)のに対し、下顎頭位が変らなかった関節では、19%が進行性、14%が退行性変化であった。 以上より、ヒト顎関節は成人であっても本質的にリモデリング能を有しており、進行性および退行性リモデリングは保存治療により変えられた異なる関節内環境に対する異なる適応変化であると考えられた。また、形態変化を生じた患者の予後は良好であることから、これらの形態変化は関節内環境が正常化されたことの一つの指標となり得ることが示唆された。
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