研究課題/領域番号 |
04671191
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 東日本学園大学 |
研究代表者 |
荒木 吉馬 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (20005036)
|
研究分担者 |
大野 弘機 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (70018430)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 歯科セメント / 高分子電解質 / 凝結性 / 複合効果 |
研究概要 |
従来の高分子電解質系セメント(ポリカルボキシレートセメントおよびグラスアイオノマーセメント)の強度、耐酸性を改善することを目的として、新しいセメント組成物すなわちポリカルボン酸のゲル化材に少量の酸化カルシウムを用い、微細なアルミナ粉末を補強性フィラーとして比較的多量配合したセメントを試作し、その凝結性、強度、耐酸性を検討した。 その結果、セメントとしての操作時間および硬化時間は、酸化カルシウムに10〜20%酸化マグネシウムおよびフッ化ナトリウムを添加し、焼成(900〜1000℃)を行なうことにより調節することができた。また、ゲル化材粉末の粒度を変化させることによっても調節することができた。セメント硬化体のかたさは、ポリカルボキシレートセメントの約2倍で、グラスアイオノマーセメントより若干高い値が得られたが、圧縮強さは、ポリカルボキシレートセメントよりやや低かった。SEMで硬化体の微細構造を観察したところ、フィラーの分散状態が不均一であることが圧縮強さを低くしていることが判明した。従って、フィラーの配合方法の検討が課題として、残された。セメント硬化体の緩衝液(pH5)中における溶解率は、従来のセメントより大きかったが、その原因として、ゲル化材中のフッ化ナトリウム等の溶解とフィラーの不均一分散によることが分かった。そこで、フッ化ナトリウムに代わって溶解性の低いクリオライトを用いたところ、溶解性が著しく減少した。 以上のことから、本系セメントを開発するための基礎的な指針が得られた。
|