研究課題/領域番号 |
04671222
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白砂 兼光 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30093420)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 唾液腺腫瘍 / 癌浸潤 / 細胞外基質 / プロテアーゼ / プロテアーゼインヒビター / 細胞外基質分解 / 細胞遊走 / インテグリン / 口腔癌 / 癌浸潤機構 / 細胞外基質分解酵素 / モティリティ因子 |
研究概要 |
口腔癌の浸潤抑制を考えるため主として腺様嚢胞癌細胞ACCSを用いて口腔癌細胞の浸潤機構を検索した。得られた知見は以下のごとくである。 1.腺様嚢胞癌細胞ACCSはウロキナーゼ(uPA)とゼラチナーゼ(MMP-2とMMP-9)を強く発現し、線維芽細胞や筋肉細胞の産生したECMを主としてuPA-プラスミンカスケードを介して強く分解する。 2.ACCSはフィプロネクチン(FN)ラミニン(LAM)4型コラーゲン(COLL IV)を含む細胞外基質(ECM)を多量に産生する。そのECMはプラスミノーゲンアクチベーターインヒビターI型(PAI-1)を多量に有しており、癌細胞による分解をうけにくく、腫瘍周囲に蓄績される。 3.ACCS細胞の遊走はACCS-ECM、FN、LAM、COLL IVよって著しく亢進し、腺様嚢胞癌細胞は自らが産生したECMによるハプトタキシス機構を介して浸潤ことが示唆された。 4.FN、LAM、COLL IVはACCS細胞に対して強いハプトタキシス活性を有することから本腫瘍に特徴的な神経や血管への強い浸潤傾向を理解することができる。 5.コラーゲンゲル内浸潤と細胞外基質分解能、Boyden chamberでの細胞遊走能はEGFによって促進された。 6.コラーゲンゲル内浸潤と細胞外基質分解能、Boyden chamberでの細胞遊走能はデキサメサゾン(DEX)の添加により著明に抑制された。EGFとDEXによる上記の変化の一部はプロテアーゼが重要な役割を担っており、EGF添加によってuPAが著明に分泌され、DEXの添加によりuPAの分泌は抑制され、PAI-1を発現した 7.ECMによるACCS細胞の細胞遊走促進は抗インテグリンモノクロナール抗体(mAb)処理によって著しく抑制された。 8.in vitro浸潤モデル下で癌細胞は線維芽細胞との混合培養によって浸潤が著明に促進されることから、線維芽細胞培養上清から癌細胞浸潤促進因子の精製を行い、現在そのアミノ酸配列を決定する準備を行っている。
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