研究分担者 |
片倉 朗 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10233743)
外木 守雄 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (50217519)
山根 源之 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (80096510)
柿澤 卓 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (70085869)
野間 弘康 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40085791)
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研究概要 |
S-D系ラットに対して4-nitroguinoline1-oxideを7ヶ月間経口投与し,舌背に発生した扁平上皮癌に対し以下の実験を行った。(1)CDDP単独投与群(CDDP単独群)(2)FT207単独投与群(FT207単独群)(3)CDDP+FT207併用投与群(併用群)(4)無処置対照群(対照群)の4群を設けた。すでに確立した持続静脈内投与システムによりCDDP単独群は5mg/kgを2時間で,FT207単独群は60mg/kg/dayを5日間投与した。併用群ではCDDP投与終了直後よりFT207を投与した。抗癌剤投与終了7日後に動物を屠殺した。屠殺2時間前に^3H-thymidineを腹腔内投与しflash labelingを行った。実験結果は以下のとうりであった。1.肉眼的抗腫瘍効果は併用群にのみ認められ,病変の縮小が見られたのは50%であった。2.組織学的抗腫瘍効果は,CDDP単独群およびFT207単独群では既存の腫瘍組織構築の変化は認めず,軽度の細胞障害にとどまったが,併用群では癌胞巣パターンの破壊を伴う比較的強い細胞変性を認めた。3.病変分類因子と抗腫瘍効果について直接確率計算を行ったところ臨床視診型と肉眼的抗腫瘍効果,浸潤様式と肉眼的抗腫瘍効果について5%の危険率で関連が認められた。4.ミクロオートラジオグラムを作製し,残存腫瘍細胞の活性を検索した。標識細胞指数はCDDP単独群24.19±7.18%,FT207単独群28.34±8.12%,併用群11.63±5.53%,対照群33.52±8.84%であった。各群間で七検定を行ったところ,肥用群とCDDP単独群,併用群とFT207単独群,併用群と対照群との間に1%の危険率で有意差が認められ,併用群での細胞活性の低下が示唆された。
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